玉兎 その117 なんと見事な平城京
いつも、つたない作品をお読みくださいまして、ありがとうございます♪
m(_ _)m
これからも楽しんでいただけると嬉しいです。
次の野営地に着いたので服を着て馬車をおりるのです。
当然レイは元のカラス、ワタリガラスでしたっけか?の姿に戻ってわたしの肩に止まっているのですよ。
昨日まで白かったカラスが黒くなっているのを見て、周りの兵士たちが何か問いたげに見てくるのですが、やはりスルーで。
お姫様と侍女にはレイが進化したことは話したから、そのうち広まるのです。
今度は最初から野営地の周りに防壁とお堀を作って、さらに内側に仮拠点も前回と同じように作成。
これで襲撃されてから慌てて作らなくてもよくなったですね。よしよし。
ご飯も食べて(お姫様たちと一緒に)、お風呂にも入ってスッキリ。
あとは寝るばかりなのですが……。
レイが進化の報告ついでに、リルとランに人化を披露したのですね。
軽く羽ばたき、わたしの肩から下りて人化したレイ。
当然マッパなのですが、ここはわたしたちの部屋なので無問題。
そしてマッパで再び抱きついてくるのですね。
わたしは一応ローブをレイにかけてから、抱き返し、頭を撫でてあげるのです。
わたしを見上げて嬉しそうに目を細めるレイ。
身長はわたしの方が5、6センチくらい?高いから自然と見上げる体勢なのですね。
2匹とも祝福すると同時に、羨ましそうなのです。
『レイちゃん、進化できておめでとうなの!
でもでも、ミラお姉ちゃんとおんなじに人間に変身できるようになって羨ましいのよ?
リルも人になりたいなぁ。』
『レイ。無事の進化、おめでとうございます。
そうですね、リルお姉様。
ご主人様と同じ人型になれれば街中でも、建物の中でもご一緒できますから。
わたしも人化したいものです。』
ふと、レイの反応をみたら、あらまあ。
なんと見事なドヤ顔!
これ見よがしにわたしの肩口に頬擦りスリスリしているのです。
それを見てリルがいつものように、ぐぬぬぬ、と悔しそうに見上げているのですよ。
またかと苦笑して顔を見合わせるランとわたし。
空気を変えるために2匹に声をかけるのです。
「ほらほら、いつまでも睨み合ってないで。
見張りの順番を決めたら、みんなで寝るのです。
今日は最初だけわたしも人型で寝るのですよ?」
わたしは服を脱いでベッドに向かうのです。
いつものようにまずランが横になるのですが、今日はちょっとだけ変則的なのですよ。
人型のわたしはランのお腹を枕にして寝そべり。
そしてリルがわたしのお腹あたりに来て、最後に人型のレイがリルを挟んで横になるのです。
一応、上からローブをかけて毛布代わりに。
今までも人肌にモフモフまみれで寝たことはあったのですけれど、そこにさらに乙女の柔肌が加わったわけで。
モフモフはもちろん素晴らしいですが、素肌の触れ合いもまた心地よいですね。
目の前には嬉しそうなレイの顔が。
まだ旅の途中ですし、襲撃も警戒しなければならないですけど。
こうして家族みんなで、丸くなって眠れる幸せに感謝しつつ眠りに落ちるのです。




