玉兎 その108 もしもし、ルーナ様?その2!
いつも、つたない作品をお読みくださいまして、ありがとうございます。
m(_ _)m
これからも楽しんでいただけると幸いです。
前と同じく、侍女の人とちょいゴージャス騎士の人と一緒に食卓につくお姫様。
侍女の人、キャシーさんももう諦め顔ですね。
配膳も済んでさあ食べようとしたところ、お姫様にお礼を言われたのです。
「昨夜は襲撃を防いでくださり、ありがとうございました。
改めてお礼を申し上げますわ。」
昨夜、寝る前にも言われたし、そんなに気にすることもないのですけれどね。
もともと護衛する約束ですし。
「お気になさらず。これも契約のうちですからね。」
「ですが、ブラッディベアやエルダードラゴンが相手では、わたくしたちだけではどうにもならなかったと思いますの。本当にミラ様がいてくださって助かりました!」
「それなのですが……ひょっとしたら、わたしたちがいたからこそ、あれだけ強力なアンデッドを用意したのかもしれないのですよ。
最初の襲撃をあまりにもあっさりと返り討ちにしてしまったので。
まあ、すべては仮定の話ですが。」
「いいえ。もっと弱いアンデッドだったとしても、ミラ様がいらっしゃらなければ、やはり死傷者が多数出たことでしょう。
それが一人の被害も出さずに済んだのですから。
さすがですわね。」
キラキラした目で微笑みながらの賞賛に若干面映ゆい気持ちになるのですが、ここは大人しく受けておくのです。
いちいち反論しては話が進まないですからね。
「それよりも昨日の襲撃の主犯なのですが……。」
と話しかけたところで、はたと気付いたのです。
被害者とはいえ人間であるお姫様たちに、仮面の眷属のことを話してもいいものですかね?
ルーナ様に確認し忘れたのですね。
というわけで、すぐさま確認するのです。
もしもし、ルーナ様?
人間たちに堕ちた女神や、その眷属について話してもいいのですか?
『おはよう、ミラちゃん。
もちろん構わないよ。
ただ、あまり広められるとちょっとだけ困るかな?
神々の醜聞に近いから、場合によっては信仰に関わるし。
止めはしないけど、せめてその場にいる人たちだけにしてくれるとありがたいね。』
了解したのです。
なるほど。
たしかに婚約者を殺害されたとか、ちょっと信者には言えないですね。
信心が深い人ほど、ブチ切れそうなのです。
そのあたりはぼかして話すのですね。
「襲撃の主犯がどうかされましたか?」
急に口籠もってしまったので、お姫様が聞いてきたのです。
すまんですね、話し途中で止めてしまって。
「いえ。ここだけの話にして欲しいのですが。
その主犯は堕ちた女神の眷属である神獣、黒鳥なのですよ。
昨夜、直接戦った時にアンデッドのドラゴンを作っていたので間違いはないのです。」
わたしの言葉に、三人とも目を見開いて驚いたのです。
 




