玉兎 その103 名前の由来は……。月神(ヘタレ)の説明。
いつも、つたない作品そっちのけで、他の方の作品を読み耽ってしまう、ポンコツな作者をお許しくださいませ。
m(_ _)m
それでもストックは三話ほど貯まりました。
これからも楽しんでいただけると嬉しいです。
わたしの問いかけに対する反応は沈黙。
いや、ですから、言えないことは言わなくても良いのですけど……。
『……そんなことはないんだけど……ちょっと言いづらいというか。
ミラちゃんが聞いたら、少しだけ気を悪くするかもしれないけど、それでも聞くかい?』
何を今さら。
バニーガール姿や裸もがっつり見られていたと知った段階で気分など最悪なのですよ。
さあ怒らないからさっさと白状するのです!
『分かった!言うからゴメンって!
はぁ。君につけた『ミルラーナ』という名前はね……。
……さっき話した、かつての婚約者につける予定の名前だったんだよ……。
結婚すると同時にね。』
そ、そうだったのですか……。
『彼女は龍神と地龍王の娘で、言わば半神とでもいえる存在だった。
なので、僕との結婚を機に本物の神として立ってもらう予定だったんだよ。名付けによってね。
先回りして言っておくけど、僕はミラちゃんをかつての婚約者の代わりにしようと思ったわけじゃないよ?
ミラちゃんにはあの時すでに与えられる加護は与えてたからね。
あれ以上に授けられる力が名前と祝福だったから、名付けただけ。
『ミルラーナ』という名前は……一番愛着があったからかな。
ちょうどミラちゃんの名前に似てたし。』
べ、別に、代わりなどとは思わないのですけれども……。
……そんな大切な名前を、わたしのような、たかが角うさぎがもらってよかったのですか?
『もちろん!
それにミラちゃんは僕にすべてを……身も心も捧げてくれるんでしょ?
だからこそ、そのお返しに僕も僕にとって大切な名前をあげたんだよ。
今さら遠慮なんてしないで。』
……了解したのです。
せめて、大切な名に恥じぬよう生きるのです!
『そんなに気負わなくてもいいけど……。
まあ根が生真面目なミラちゃんだからしょうがないか。』
うるさいのです。
悪かったですね生真面目で。
最後に、わたしの顔を知っていたのは何故ですか?
『これも気を悪くするかもしれないけど、ミラちゃんの顔も似ているからかな。昔の婚約者に。
そっくりそのままではないけど、面影は充分あると思う。
なぜかは僕にも分からないよ?
ミラちゃんの人化した姿は、ヴォルパーティンガーの変化した姿だからね。
進化する時、僕が力を貸したから僕の理想の姿に近くなった、とかかな?
あるいは転生したミラちゃんの魂の形が似ていたのかもしれないね。』
ふーむ。納得できるような、できないような。
まあ、ルーナ様でさえ真相がわからないなら仕方ないですね、
そうかもしれないで納得するしかないですか。




