玉兎 その102 神獣変化は禁じ手なのです!(フラグ)
いつも、つたない作品をお読みくださいまして、ありがとうございます。
m(_ _)m
これからも楽しんでいただけると幸いです。
そうですか。
封印が補強されるなら、これ以上邪魔するやつは増えないと思っていいのですかね。
しかし、神々が施した封印を破りかけるとは。
堕女神の怨念というか執念を感じるのです。
『それは同感だね。
あの封印は僕も手伝ったんだけど、反省して心を入れ替えれば自然と解けるものだったんだ。長い……とても長い時間はかかるけどね。
それが瘴気が溢れ出して封印を弱めるとか、逆恨みをよりいっそう募らせているとしか思えない。
仮釈放は遠そうだね……。』
仮釈放って……。
まあ反省していないなら情状酌量の余地もないですか……。
あと確認するべきことは……ルーナ様の本神殿の状況くらいですか?
『そっちも確認したよ。
巫女は今のところ無事だね。
どうも幽閉されているようだから自由はきかないけど、ケガや病気はしてないみたい。
今なら朝のお祈りをしているから神託を下せるけど、何か伝えるかい?』
おおっ、これはいいタイミングなのでは?
無事みたいで安心したし。
これを伝えればお姫様も喜ぶのですね!
では、眷属を遣わして助けるから、諦めずに気を強く持つようにと、伝えて欲しいのです。
あと、わたしの名前と容姿、神獣としての姿も。
『分かった。……伝えたよ。』
早っ!
ま、まあ早いに越したことはないのです。
これでモチベーションを保っていられるのですね。
言ってみれば、ハイジャックとか、犯人に立て篭もられて人質にされたような状況ですからね。
心理的なストレスはハンパなく溜まっていると思うのです。
そこに自らが崇める神様から『助ける』と神託があったわけですから、希望も湧くというものなのです!
ところで、転移で逃した仮面の眷属、黒鳥?は神殿にはいないのですか?
『うん、いないね。
神殿にいるのは人間の兵士たちだけのようだよ?
おそらくは別の拠点に逃げたんだろうね。』
そうですか……。
巫女たちに危害を加えられないなら、それでいいのですけど。
眷属の居場所が分からないのは少し面倒ですね。
奇襲は攻撃する側が圧倒的に有利ですし。
エルダードラゴンまで出してきたのですから、手札はこれで打ち止めと思いたいですが、油断は禁物ですね。
うーん、これで必要な情報は確認できたのですかね?
・仮面の眷属は神獣の黒鳥。ただし弱体化している。
・封印された堕ちた女神エルウィナスの封印は綻んでいるけど、解けてはいない。補強される予定。
・本神殿の巫女は無事。
・黒鳥の行方は不明。
こんなところですか?
おっと、大事なことがあったのですね。
・神獣変化は禁じ手。死の危険がある時だけ、あるいは大切な者たちが複数危機に瀕している時だけ使うのです!
あっ。一つだけ忘れていたのです。
あの仮面の眷属はわたしの名前を知っていたようなのです。
ルーナ様のことを知っていたのは分かるのですが、わたしの名前など知りようがないと思うのですけど。
それに、わたしの顔も。
「その顔は!」とか言っていたような。
そこら辺はどうなのですか?




