玉兎 その98 情報開示を請求するのです!
いつも、つたない作品をお読みくださいまして、ありがとうございます。
m(_ _)m
これからも楽しんでいただけると幸いです。
遅まきながらこの作品を、今は亡きオタ友でもあった兄に捧げます。
亡くなる前にカミングアウトしておけばよかった、と少しだけ後悔しています。
小っ恥ずかしいけど、読んでもらって感想や意見を聞きたかったですね。
実の兄に読まれるとか、小っ恥ずかしいですけど!
(>▽<;)
と、その前に眠る準備をするのです。
服を脱ぎ捨て元の姿に戻るわたし。
今からお風呂は面倒なので、ざっくりと水魔法で自分を含めてみんなを洗浄、しかるのちに風魔法で乾燥させるのです。
寝るだけとはいえ、ゾンビーズの返り血まみれで寝たくはないですからね!
そして、再びモフモフベッドに埋もれて準備完了なのです。
さあ、ルーナ様。キリキリしゃべるのですよ!
『えー。なんで僕が尋問されてる風なの?
扱いがさらに雑になってない?』
フン!
敬意を持って扱われたければ、それなりの対応があろうというものなのです。
今回は未知の強敵かと思ったら、何か知っているようなことを言っていたではないですか。
最高機密まで暴こうとは思わないですけれども。
わたしたちが知らない方がいいことも、多々あると思うのです。
しかしながら、こ、婚約者であるわたしに対して、知ってる情報を伏せたまま戦わせるのはいかがなものかと思うのですよ?
敵の情報開示を請求するのです!
情報公開は民主主義の根幹なのですよ?
この世界に民主主義があるかは分からないですが!
『……うん。ミラちゃんの言うことはもっともだと思うよ。
ただ言い訳させてもらえば、あの仮面の眷属があそこにいたのは僕にとっても予想外だったんだ。
けっしてミラちゃんをドッキリで驚かして、「テッテレー!」とかやるつもりじゃなかったのは信じて欲しい。』
…………その「テッテレー!」のひと言がなければ、信じてあげてもよかったのですけど。
相変わらず余計なことをしゃべって、威厳を自ら捨てているのですね、ルーナ様は。
で?
あの厨二仮面はいったい全体何者なのですか?
『ミラちゃん。君が仮面の武器を鑑定して見たとおりだよ。
あの仮面をかぶっていた奴は、封印されし堕ちた女神の眷属。
神獣である白鳥、その成れの果ての黒鳥だね。』
……やはり、わたしと同格の存在なのですね。
どおりで強いわけですよ。
しかし、同格というわりには強いながらも、あまり脅威には感じなかったのですけど。
わたしよりもはるかに古くから存在しているなら、相応にレベルも高そうなのに身体超強化もできなそうですし。
『それはそうさ。女神が封印された時に、眷属たちもともに封じられたからね。
それはそれは長い間、存在してはいたけどずっと眠っていたようなものだからね。レベルなんて上がりようがないよ。
まして、封印され神格を半ば失いかけている神の眷属だから、その力は減衰している。
その上、アンデッドを作り出し、使役してもいるから穢れや瘴気を体に溜め込んでもいるはず。
もはや神気は尽きているから、元の神獣の姿に戻ることもできないと思うよ?
つまり……。』
つまり?
『ミラちゃんが神獣変化すれば楽勝ってことだね!』
ブチッ。
ふざけるんじゃないのです!
誰があんな小っ恥ずかしい格好になるものですか!!




