玉兎 その91 どくどくドラゴンゾンビ
いつも、つたない作品をお読みくださいまして、ありがとうございます♪
ヽ(*^ω^*)ノ
これからも楽しんでいただけると幸いです。
ヒュゴウ!
空気がエルゾンの口に勢いよく吸い込まれ。
ブゴオオオオオオォォォォォーーー!!
赤黒いブレスが、エルゾンの前方に扇状に吐き出されたのです!
ヤバイヤバイ!
あれをまともに浴びては、いくらわたしでも大ダメージ間違いなし!
というわけで、目の前にアースウォール!
ふー。これで一安心ですね。
と思ったら壁が溶けてきたのです!
ヤバッ!熱っ!
慌ててアースウォール追加!
それも角度をつけて三枚!
ついでに自分の足元に穴を空けて地面の下に退避するのです!
そのまま右方向に穴を掘り進めて移動、ある程度の距離を取ってから上方向に穴を開けて、そっと外を覗くと…。
壁が全部溶かされドロドロに。
うわぁ。
さ、さすがSランク火龍のブレスですね。
土壁を溶岩にしてしまうとは…。
『ドラゴンブレス(火属性・毒属性) アンデッドとなったため毒属性が追加された、上位火龍のブレス。その威力は体力と魔力に依存する。非常に高温のため岩をも溶かし、さらに毒で汚染するので危険度は高い。』
魔力は下がっているのに溶岩を生み出すほど火力が高いのは、威力が体力にも依存するからですか。
ゾンビ化して体力は上がってるっぽいし。
危険なのは当たり前ですが、溶岩を作れる段階で毒があってもなくても当たれば即死なのでは……?
ちょっと血の気が引いているわたしなのです。
『ミラお姉ちゃん!無事なの⁈』
リルが慌てているので、念話で答えて安心させるのです。
『土魔法で退避したから、わたしは大丈夫なのですよ、リル。
今見たように、この龍のブレスは危険なのです。
龍の頭の向きに気をつけるのですよ?』
『分かったの!』
さあて、どうするのですかね?
ブレスが危険なので首でも落としたいところですが、そう簡単にはいかないですよね。
首に近づくということは、ブレスの発射口に近づくということ。
正面から突っ込んで、ブレスを浴びては目も当てられないのです。
方法はいくつか思いつくのですけど……。
確実を期すために、リルにお願いするのです。
『リル。危険なのですが、龍の気をひいて欲しいのです。
ブレスの射程に入らないようにして、周囲を飛んで隙を作るのですよ。
お願いするのです。』
『任せてなの!龍さんの気をひけばいいのね?
やってみるの!』
さて、あとはリルがエルゾンの隙を作るのを待つばかり。
頼んだのですよ!




