玉兎 その85 これぞ、角うさぎ流格闘術!(嘘)
いつも、つたない作品をお読みくださいまして、ありがとうございます♪
٩(^ ‿ ^)۶
これからも楽しんでいただけたなら幸いです。
「わたしはただの魔物使いなのです。
魔法も使うのですけれど。
それより捕まる気がないのなら、少し痛い目をみることになるのですが、よろしいですか?」
「ハッ!この俺を痛い目にあわせるだと?
面白い!やれるものならやって貰おう!」
言うや、わずかに腰を落として戦闘態勢をとる仮面の術師。
少なく見積もってもロトゥンブラッディベア以上の戦闘能力の持ち主。
油断は禁物なのです。
『リル。周囲を飛んで魔法で牽制を。不用意に近づかないように。』
『わかったの!ミラお姉ちゃん!』
さて、戦闘を始める前に、何はなくとも鑑定さん!
出番なのです!
《鑑定不可。隠蔽されています。》
なんと⁈
たしか、鑑定と隠蔽は対抗するはず。
Sランクであるわたしの鑑定を防ぐとは……。
こいつヤバいかも…!
下手をすれば、わたしと同格。
魔物でいうSランクレベルなのです!
しかーし!ここまで来て戦わずに撤退はないのですよ!
せめて威力偵察はして、どの程度の戦闘能力を持つかくらいは確かめておかねば。
それに、わたしの鑑定さんはただの鑑定先生ではないのです。
『解析鑑定』大先生なのですから!
『解析鑑定 鑑定できない格上の存在やステータスを隠蔽されていても、行動やその結果を解析することで能力値やスキルを推定、大まかな数値を予測する。』
つまり、相手の攻撃威力や速度、被弾した時のダメージの受け方などを見て、能力値を類推。
鑑定できない相手でも解析してしまうチートっぽいスキルなのです!
しかし、解析するためには相手になるべく多く行動させなければならないのです。
長期戦を覚悟するべきですか……。
わたしは(常識的な)速さで駆け寄りつつ、土魔法ピットフォールをかけるのです。
ですが。
魔力が術師に到達する前に避けられたのです!
魔力視持ちですか。厄介な。
まあ魔術師だという段階で持っていておかしくないですからね。
ここは慌てず騒がず、そのまま魔力をホーミング、追いかけさせるのです。
「ちっ……。」
舌打ちして、伸びてくる魔力に向かい手を振る仮面。
すると、手先から魔力が伸びてわたしの魔力を相殺したのです!
ほほう。魔法をそういう方法で防げるのですね。
これはいいことを教えてもらったのです。
それではさっそくパクってやるのですよ!
今度は仮面が、自分の周囲に複数の魔力のかたまりを作るのですが。
わたしも魔力塊と同数の魔力を発して、魔力を相殺!
魔法を阻止してやったのです!
仮面からわずかに驚きの気配が。
フッ。自分の技を目の前で奪われた気分はどうですか?(ドヤァ)
しかし……このままでは、お互いに虚をつかない限り、魔法攻撃は難しいようですね。
ならば、物理で殴る!
角剣では殺傷力が高すぎるから、素手でいくのです。
走りよって、殴る蹴る!殴る蹴る!
格闘技とか知らんから素人の攻撃なのですが、そこはSランクの身体能力。
プラスすることの野生の魔物的な勘で攻撃するのです。
これぞ、角うさぎ流格闘術!(嘘)
うさぎパンチ!うさぎキック!
って、ただのパンチとキックなのですけどね?




