玉兎 その80 索敵に感なし。まさか陽動⁈
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\( ´ ▽ ` )/
これからも楽しんでいただけると嬉しいです。
ランに騎乗したままですけど、せっかくだからこのまま索敵するのですかね。
前にも言ったのですが、基本スペック的にはわたし一人、いや一匹の方が速く動けるのですけれど。
しかしながら、人前で加速装置のついたサイボーグのような動きはするべきではないですからね?
まあ、わたしは生身ですけど。
というわけで、熊ゾンビたちが来た方向にそのまま索敵しつつ進むのです。
わたしもランも超感覚は全開、警戒は怠らないのです!
……ちょっと臭いですけど。
いや、だいぶ臭いですけど!
それでも、熟成不足なゾンビーズだったからなのか、耐えられないほどではないのですよ。
一応は発生源からは遠ざかっているわけですし。
それと……。
この索敵にはわたしが行くべきなのです。
何故なら、ブラッディベアをアンデッドにできるということは、少なくともブラッディベアを倒せるだけの強さを持つ敵がいるということなのですよ。
Bランク魔物、それも厄介な狂化のスキルを持つ血熊を倒せる術師。
まあ、倒したのが死霊術師とは限らないのですけれど。
推定Bランク以上の強敵がいるかもしれない。
そんな危険な存在がいる可能性がある以上、可愛い妹たちに単独で索敵などさせられないのですよ。
そのまま進むこと500メートルくらい?
未だに対象は見つからないのです。
これは、速攻で逃げられたのですかね?
夜で視界が魔力視しか効かないことを差し引いても、超感覚+魔力感知+万物感知のわたしの索敵に引っかからないということは、本当にいないのですか。
もしくは、かくれんぼの天才かもしれないですね。
これ以上、野営地から離れすぎても良くないので、そろそろ戻るのです。
チッ。今回も逃げ足の速いやつなのですよ。
ランに声をかけて、来た道を戻ろうとした、その時!
リルとレイから念話が届いたのです!
『ミラお姉ちゃん!いま、後ろの方から敵が来たの!
死んでるオークっぽいのが10匹くらい!』
『ニンゲンたちはオオカミのアイテをシテイテ、テガハナセナないのデス!
ママネエちゃんにもモドッテきてホシイのデス!』
まさか!
陽動に引っかかったのですか⁈このわたしが!
しかもAランクのアンデッドを使って!
まずいのです!
Aランクを捨て駒にするということは、本命はそれ以上の戦力の可能性があるのですよ!
わたしは念話で叫びつつ、ランとともに野営地へと駆けるのです!
『リル、レイ!わたしたちが着くまでけっして無理をしてはいけないのです!
防戦に徹するのですよ!』
『分かったの、ミラお姉ちゃん!』
『マケハシないとオモウけど、ハヤくモドッてキテホシイのデス!』
すぐに戻るから待っているのですよ!




