玉兎 その79 沼にハマった。(物理的に)
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\(#^o^#)/
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さて。
露払いは済んで、あとは熊ゾンビを仕留めるばかりなのですね。
狼ゾンビは大量にいるのですけれど、個体としては弱よわですから、防壁ごしに戦えば人間たちに任せても問題ないのです。
レイとリルも援護に加わっているはずですし。
熊ゾンビに近づいたので、ランにピットフォールの派生、底なし沼魔法をかけてもらうのですよ。
本当は、ランには猪ゾンビをリルと協力して倒して欲しかったのですが。
リルが先走りの、初手・必殺技で単独撃破してしまったから、このままわたしの方を手伝ってもらうのです。
これにはランも苦笑いですね。
『ま、まあまあ、リルお姉様らしいではありませんか。
それに一手で狼たちと猪を倒せたのですから。
さすがですね。』
ランの鬣が淡く光り、魔力視にはランからの魔力が地面に赤い道を作り、熊ゾンビに近づいていくのが見えるのですよ。
熊は当然気付かず。
魔力が足もとに達したあと、急に下半身が泥に沈み込むのです。
「ゴアッ⁈」っと驚き叫ぶのですが、声が出るということは意識があるのですかね?
そういえば、熊だけ種族名が違ったのですね。
ロトゥンブラッディベアでしたか。
元が高ランク魔物だからなのか、それとも使われた術が他と違うのか。
今のわたしたちでは判断がつかないのですね。
兎も角、分からんことは放置して、文字通り泥沼にはまっている熊ゾンビにとどめを刺すのです!
いつぞやのようにランに騎乗したまま熊に近づき、アイテムボックスから取り出した角剣に魔力と神気を流して、魔神撃で攻撃するのです!
すれ違い様に斬り下ろすのですが、熊は両腕を使って防御したのですよ。
が、その両腕を切り落としてやったのです!
ふむふむ。ゾンビは上半身消失したのですが、ランクが高いからか、単純に防御力の違いか、消し飛ばすほどではなかったようですね。
「グガアアアアァ!!」
ひときわデカい雄叫びを上げると、目と毛皮が血のように紅く染まっていくのです。
ブラッディベアお得意の『狂化』ですか。
でも、ちょっと遅かったのですね。
両腕落とされ沼にハマった状態で、今さらパワーが上がっても、だから何?みたいな。
必死になって後ろ足だけで出ようと足掻いているのですけれど、哀れなのでさっさと動かない死体に戻してやるのです。
通りすぎたランが再び後ろから熊に近づいてもらって、今度は背後からの斬り下ろし!
それも、脳天から胸下まで!
頭蓋、脊椎、心臓まで切られ、おそらく心臓付近の魔石も傷ついたのか、動きを止める熊ゾンビ。
紅く染まっていた毛皮も元の黒色に戻り、そのまま力が抜けて沼に沈んでいくのです。
よっしゃ!
ロトゥンブラッディベア撃破なのです!
あとは、雑魚ウルフの掃討はリルたちに任せて、さらに後方を索敵するのです。
今度こそ死霊術師がいたら捕まえて、ボッコボコのギッタンギッタンにしてやるのですよ!




