玉兎 その74 緊急野戦陣地構築(ノーパンノーブラで)
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これからも楽しんでいただけると嬉しいです。
わたしは人の姿に変化すると、アイテムボックスから服を取り出して着るのです。
……時間がないから、下着は諦めるのですかね。
ズボンとシャツだけ着て、部屋を出るとお姫様の部屋の扉をノックして声をかけるのです。
数回繰り返すと中から声が。侍女の人ですね。
「何事ですか?」
「敵襲なのです。
おそらくはアンデッドモンスターなのですよ。
これから撃退に向かうので、起きて動けるようにしておいて欲しいのです。」
「!
分かりました。よろしくお願い致します。」
よし。これでお姫様の方はOK。
あとは、グイナルさんを起こすのと、見張りの人に敵襲を伝えるのです。
リルたちを連れて外に出ると、仮拠点の前に立っていた歩哨に「アンデッドモンスターが来るのです。急いで皆を起こして欲しいのです。」と伝えるのです。
篝火に照らされた、わたしの顔を見て一瞬の硬直。
その後、すぐに再起動して「分かりました!」と言って駆け出す兵隊さん。
その間も、超感覚による気配感知は切っていないのです。
風に腐臭が混じっているのですが、この前よりずっと軽い感じ。
比較的に死にたてのアンデッドなのですかね?
ちょっと熟成具合が足りないとでもいいますか。
ま、まあ、超熟成とかされない方がこちらもありがたいのですけど。
今回は臭いのも我慢して索敵を続けるつもりなのです。
……戦いが終わる頃には嗅覚が麻痺してそう。
夜間に急に慌ただしくなる野営地。
……灯りがないのはこちらに不利ですか。
わたしたちだけなら魔力視があるから問題ないですけれど、兵隊さんたちにも防衛してもらわなければいけないですからね。
わたしは光魔法で灯りを空中に、複数飛ばすのです。
こちら側だけ明るくすると飛び道具で狙われそうなので、推定アンデッドの臭いがする方向にも広く飛ばすのですよ。
まあ、アンデッドが飛び道具とか使わなそうですけど。
うーん。あとは何かやることは……。
そうだ!土魔法で防壁を作るのです!
ついでに堀も!
ランに念話で相談して、手分けして野営地を囲むように高さ1メートル、幅30センチほどの防壁を作り、その周りに深さ20センチほどの堀を作成。
さらには堀に泥を満たすのです。
これで野営地に近づく奴は足を取られて動きづらくなる上に、人間くらいの大きさならちょうど胸から上が出るのです。
中からは安全に攻撃できるって寸法なのですよ!
こうして急遽、野戦陣地を構築していると、ちょいゴージャスな胸甲だけ身につけた騎士の人、グイナルさんが近づいてきたのです。
さすがにフル装備を着けている時間はなかったのですね。
夜襲の効果は、奇襲による心理的なものだけでなく、武装が整わない敵に攻撃できることにもあるのです。
全身鎧を着たまま寝る人はいないし、寝たとしても充分な休息は取れないですから。
「ミラ殿!敵襲と聞いたが⁈」
「そうなのです。
おそらくは先日と同じくアンデッドなのです。かすかに腐臭がするので。
急場ですが、防壁を作ったので兵の配置をお願いするのです。
臭いのする方向から来ると思うのですが、念のために全周警戒を。」
「了解した!
しかし、いつもながら見事な防壁だ!それに灯りも!
これで兵の損害も少なく済むだろう!感謝する!」
……あなたもいつもながら暑苦しい口調ですね。
まあ、素直に受け取るのですが、感謝するのは撃退が済んでからでもいいのですよ?
負ける気はまったくないですけれどね!




