玉兎 その71 土魔法無双その2 耐震補強物件、風呂トイレ付き
いつも、つたない作品をお読みいただきまして、ありがとうございます♪
(●´ω`●)
これからも楽しんでいただけると幸いです。
「これほどのものとは思いませんでしたね……。」
侍女の人、キャシーさんが驚きと呆れの混ざった口ぶりで言うのです。
コンコンと仮拠点の土壁を叩いた後に、軽く力を入れて殴ったのです!
しかも魔力視に赤く見えているから、魔力撃を使って。
いきなりですね!
しかし、軽く殴ったくらいではキズひとつつかない壁の強度に、さらに感嘆と呆れの混じったため息をつくのですが。
別に便利なら、それでいいんじゃないですかね?
おうちの壁が固いほうが安全ですし。
「ベッドもフカフカですわ!
見た目は土なのに、触っても手に付かないなんて不思議ですわね!」
フフフン?
土なのに、ウォーターベッドのような触り心地に感動しているのですね。
図らずも、ホンモノの王族(公族?)が寝るベッドになってしまったのです。
まあ、今のこの世界の技術力では、ニ○リやエアウィ○ブのようなクッション性など望むべくもないですからね。
このベッドも、野営時の期間限定なのです。
今のうちに、存分に堪能するのですよ!
別室に風呂、トイレ付き。
お姫様の部屋と侍女・メイド部屋に、わたしの部屋。
3LDKですか。
いや?
リビングもダイニングキッチンも屋外だから違うか。
ワンルームならぬ、スリールーム物件ですね。
一泊したら解除して土に戻すのですが。
さて、拠点の準備ができたので、次は食材の提供をするのです。
肩かけカバンから出すふりをして、アイテムボックスから新鮮なオークの生ハムを塊で取り出すのです。
明らかにカバンに入る大きさではないのですが、細かいことは気にしないのです!
メイドちゃんに渡して、お任せなのです。
わたしは料理とかできないですからね?
焼きオークで、レア、ミディアム、ウェルダンと焼き加減を調節するくらいですか。
「こんな新鮮なお肉、いったいどこから⁈」
驚くメイドちゃんに対して、わたしは口元に人差し指を立て、片目を閉じてウィンク。
フッ。美(少)女には謎は付きものなのですよ?
メイドちゃんたちの料理の腕に期待するのです!
晩ごはんは、野菜スープにトンテキならぬ、オークテキなのでした。
やはり塩とわずかな香草だけで、胡椒っ気が欲しいところですが、焼き加減もよく、美味しくいただいたのです。
ごはんの後はお風呂。
浴槽に水魔法でドボドボと水を注ぎ、火魔法で温めるのです。
桶や手拭いは自前でお願いするのですよ?
さすがに一番風呂はお姫様たちに譲るのです。
お姫様くらい、やんごとなくなると一人ではお風呂に入らないのですね。侍女のキャシーさんがお手伝いに一緒に入ったのですよ。
次はわたしの番。
リル、ラン、レイを連れてお風呂に入るのです。
服を脱いだら、変化を解除!
お尻をつき上げて伸びをするのですよ。
ふ、う〜〜〜〜ん、肩凝ったぁ…!
まあ、今日は馬車の中では、ほぼ元の姿だったわけですけど、それでも他人の前と、家族の前では緊張感が違うのですね。
みんなでまったりとお風呂を堪能したのです。
もっとも、レイだけは軽く水浴び程度しかしないのですが。
リアル、カラスの行水ですね。
それでも、わたしたちから離れず浴槽の縁に座っているのです。
お風呂から上がる前に、浴槽に穴を空けて排水。
お湯を張りなおすのですよ。
次のメイドちゃんのために。
わたしたちモフモフ角うさぎパーティの後ですからね。
さすがに毛だらけ風呂は可哀想なのです!




