玉兎 その70 アニマルセラピーのこうかはばつぐんだ!
いつも、つたない作品をお読みくださいまして、ありがとうございます♪
\(*^▽^*)/
これからも楽しんでいただけると幸いです。
「取り乱してしまいました……。
申し訳ございません、ミラ様。」
やっと落ち着いたのか、お姫様が恥ずかしそうに言うのです。
わたしは、前足のライオンの爪をしまって、お姫様の肩をポンポンと撫でるのです。
猫が爪をしまえるのは知ってたのですけれど、ライオンさんもしまえるのですね。
自分がライオンの前足になって初めて知ったのです。
まあまあ、わたしは気にしないので大丈夫なのですよ?
大丈夫なのですけれど、そろそろ下ろして欲しいのですが。
そう言ってみたら、とても残念そうにするのですよ。
具体的には、眉尻を八の字くらいに下げて。
「……あの……ミラ様には申し訳ございませんが、もう少しだけ抱いていてもよろしいでしょうか?
その……こうしていますと、とても落ち着くんです。」
茶髪碧目の美少女が下がり眉でのお願いですよ?
しかも泣いた後でお目々も潤んでいるのです。
これに応えなければ、『姉御肌』とは言えないのです!
『もちろん構わないのです。
殿下が落ち着くまで、好きなだけ撫でるのですよ。』
情緒不安定な女の子に、アニマルセラピーのこうかはばつぐんなのですね。
お姫様は、笑みくずれて「ありがとうございます!」と元気よく答えたあと、わたしをキュッと抱きしめるのです。
その後は膝の上にのせて、ひたすら撫で撫で。
たまに頭を撫でたり、あごの下をコショコショしたり。
あ、耳の裏もお願いするのです。
そうそう、ちょっと爪をたててコリコリするのですよ。
大丈夫。ステータスが高いので痛くないのです。
その後、問題なく行程は進み、お昼休憩をして(人化して、また竈やテーブルを作ったのです。土魔法無双ですね。)、野営地に到着したのです。
再び人化してお着替え。
女同士とはいえ、目の前で着替えるのは若干の恥ずかしさを感じるのですが、わたしの本性は角うさぎですからね?
元の姿を見せて、撫でられたりしているわけですよ。
つまりは真っ裸で。
恥ずかしがるのも今さらですね。
さてと、着替えて外に出たら、さらに土魔法無双のお時間なのです!
お姫様とのお約束通り、竈はもちろん、屋根のある小屋に、柔らかベッド、トイレにお風呂を作るのですよ!
仕方ないから、兵隊さんたちの分の小屋も作ってあげるのです。
そちらはグレードを落として屋根と壁だけなのですね。
野外でテントも張らずに雨風がしのげるだけでも、ありがたく思うのです!
まあ同行する連中が臭うのも嫌ですから、風呂くらいは作ってやるのですかね?
お姫様のところと違って、共同浴場的なのを一つ作るだけですけれど。




