玉兎 その69 お姫様にいい子いい子してあげるのです。
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さて、その後朝食をいただき、ランたちにもご飯を食べさせてから、準備を整えて出発したのです。
隊列は昨日と同じく、先頭にリル、馬車に並走してラン、空にレイが飛んでいるのですね。
そして、わたしはというと。
昨日と同じく馬車に乗っているのはよいのですけれども……、宿場町を出るや否や変化を解かされたのですよ。
服を傷めたくなかったので、下着姿になってから解除。しかるのちに目の前に転移して下着から抜け出すのです。
昨日は驚いたどさくさに紛れて気づいてなかったっぽいのですが、目の前でやられたらさすがに気づくのですよね。
わたしの転移魔法に。
「ミラ様……。
今のはもしや伝承にある空間転移でございますか?」
キャサリーテさんが聞いてくるのです……って、名前が長くて面倒臭いのですね!
あなたのことはキャシーと(頭の中で)呼ぶことにするのです!
わたしは玉兎の姿で頷くのです。
『その通りなのです。
鑑定したから知っていると思うのですが、転移魔法は時空魔法のひとつなのですよ。
移動距離は魔力量に依存するそうですが、わたしの魔力量ならおそらくは地上であればどこにでも行けますね。
ただし、一度自分で足を運ばなければいけないのですが。』
すると、お姫様が身を乗り出して、わたしの前足をつかみつつ言うのです。
「ミラ様!その魔法はご自分以外にもかけられるのですか?」
『ええ、問題なくかけられるのです。』
あと、普通は抵抗されれば転移魔法はかからないのですけど、わたしの魔力ならたいていの存在にはかかると思うのですよ。
「それならば、ミラ様がわたくしの姉や、閉じ込められた方々を見つけさえすれば……!」
『そうですね……。
殿下のお姉様たちが、わたしを信用するかは分からないですが、転移魔法で脱出することはできるのです。』
人質さえいなくなれば、なんとでもなるのですかね?
あとは、わたしたちでスッキリさっぱり制圧すれば良いのですから。
ついでに、もし洗脳が上手いこと解けていれば、潜入する時に公国の騎士や兵士で神殿の外に展開してもらって、陽動をかけてもらえれば完璧ですかね。
それをお姫様に提案したのですが。
感激して涙を流しながら、わたしを抱きしめてきたのですよ!
「ああ……!ミラ様、ありがとうございます…!」
キャサリーテ改め、キャシーさんから、わたしの戦力は聞いていると思うのですが、それでも権力や数の暴力に勝てるか不安だったのですかね?
それが、洗脳か魅了の鑑定、解除に、具体的にお姉さんである巫女を救う算段がついてホッとしたのですね。
よしよしと、リルたちにするみたいにサリサリと舌で髪の毛を毛繕いするのです。
女の子同士で、なおかつ片方はうさぎですから、抱きしめても何の問題もないのですけれど、角には触らないように気をつけるのですよ?




