玉兎 その65 魔物使いミラの公式設定集 スリーサイズ B24㎝、W38㎝、H40㎝、体重りんご8.5個分
いつも、つたない作品をお読みくださいまして、ありがとうございます♪
( ^ω^ )
これからも楽しんでいただけると嬉しいです。
わたしがモゾモゾと動く音以外何も聞こえてこないのですが。
事前に変化の制限時間があると知っていても、実際に人が兎に変わってしまうのを見て、お姫様も侍女もフリーズ状態になってしまったのですね。
「あっ、あの、これはいったい……?」
メイド(仮)ちゃんの言葉に、再起動するお姫様と侍女の人。
「えっと、つまり、これはね?
いったいなんて言えばいいのかしら……!」
再起動しても、上手い言い訳は思いつかないのか、言葉を濁すお姫様なのです。
わたしも最初はパニックになりかけたのですけれど、近くによりパニクっている人がいると、逆に冷静になるのですね。
変化の時間切れを考えずに、メイド(仮)ちゃんをお着替えメンバーに入れてしまったのが運の尽きなのです。
わたしが神獣であることを知らないのは、メイド(仮)ちゃんだけ。
うまいこと言いくるめて、ごまかすのです!
わたしは下着から抜け出すのに転移魔法を使用するのです。
目の前の床に転移すると、三人に念話で話しかけるのですよ。
『時間切れになってしまったようですね。
見苦しい姿を見せてしまい、申し訳ないのです。』
侍女の人に鑑定で見破られてしまったから、使えなかった「魔物使いミラ」の公式設定を、今ここで公開するのです!
ここで使う予定はまったく無かったのですけどね!
『姫殿下と侍女の方にはお話ししていたのですけれど、わたしは一日の半分しか人の姿でいられないのですよ。』
その言葉を聞いて、ハッとするお姫様と侍女の人。
メイド(仮)ちゃんはびっくりして目を丸くしているのです。
さて、ここから設定が火を吹くのですよ!
『わたしは物心つく前に、何者かに呪われてしまったそうなのです。自分ではまったく覚えていないのですけれど。
それで、人目を避けるため、祖父に連れられて森の奥で、祖父と従魔たちと暮らしていたのです。
祖父はわたしの呪いを解くために手を尽くしてくれたのですが、ついに叶わず数年前に亡くなったのです。
このまま森の奥で死ぬまで暮らしていくつもりだったのですが、ある夜に月神様から神託を授かったのですよ。』
わたしの話を聞き、驚きつつも同情しているメイド(仮)ちゃん。
その隙に、残りの二人にだけ念話で話すのです。
指向性をもって話しかけられるのは、念話の便利なところなのですね。
『お二人には話を合わせて欲しいのですよ。
玉兎の姿を見られてしまったのは仕方ないですが、神獣であることまでは話す必要はないですからね。
もちろん、メイドの人にも口外はしないように言い含めるのですけれどね?』
すると、一瞬お互いの顔を見てから小さく頷いてくれたのです。
改めて、三人に語りかけるのです。
『月神様がおっしゃるには、わたしの境遇を憐れんでくださり、月神様の本神殿の聖域にたどり着くことができれば、呪いを解いてくれるとのこと。
そのお言葉を信じて、はるばる旅をして来たのです。
騙すような形になって申し訳ないのですが、けっしてあやしい者ではないのですよ。』




