玉兎 その63 ま・ち・ぶ・せ♡ さあ!衣装合わせと参りましょう!
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これからも楽しんでいただけると幸いです。
町の中程にある、やや大きめの宿に到着。
グイナルさんたちが中に入ってチェックインするっぽいのです。
宿場町にあるお宿だからなのか、そこそこ豪華なお宿なのですね。
当然のこと、お貴族さまとか、大商人とか泊まっていくと思うのです。
いわゆる、江戸時代の宿場の本陣的な存在ですかね。
特に魔物使い御用達とは書いてないのですけれど、普通にランと馬たちは厩舎的なところに案内されたのです。
兵隊さんたちや宿の厩番?っぽい人が、飼い葉をやったりブラシをかけて馬のお世話をしているのです。
その横でわたしも、ランにお肉をあげたり、全身撫で回したりしているのですけれど。
いつものとおり、うっとり目を細めているランなのです。
さて、ここにはリルもついてきているのですが、前と同じくここで泊まらせるべきか、それとも一緒に部屋に連れて行くべきか。
連れて行ってもいいんですけど、そうすると一匹で残るランがちょっと可哀想なのです。
どうしたものか。
『わたしなら構いませんよ、ご主人様。
リルお姉様もお部屋へお連れください。
お姉様は、午後は隊列の先頭でずっと警戒にあたってくださいましたから。
ご褒美は必要かと思いますよ?』
……ランは賢いだけでなく、優しくて気遣いもできるのですね。
リルも感謝するのですよ?
『分かったの、ミラお姉ちゃん!
ランちゃん、ありがとうなの!』
うんうん。ランにはご褒美にレッサー(グランドドラゴン)の生ハムをあげるのです。
レッサーを狩ったあとみんなで焼いて食べたのですが、めちゃうまだったのですよ!
あんまり美味しいから、特別な時に少しずつ食べることにしたのですが、ここは特別といってもいいですよね。
あとは……一応、不寝番の順番を決めておくのですか。
宿にいるからって襲撃がないとも限らないですから。
リルが拐われたのも宿でしたし。
順番は、わたし(超感覚)、ラン(超嗅覚)、リル(超聴覚)となったのです。
ここでもランが気遣いを発揮。
誰もがやりたくない二番手にわざわざ立候補したのですよ。
あんまり妹に頼るのもどうかと思うのですけれど、本人がやる気なのでここはお言葉に甘えておくのです。
さて、レイとリルを連れてあてがわれた個室に入るのですが……。
そこには、目をキラキラと輝かせたお姫様と侍女の人が衣装ケースを床に置いて待っていたのです。
「お待ちしてましたわ、ミラ様!
さあ!衣装合わせと参りましょう!」
……いやいや、晩ごはんくらい食べさせて欲しいのですよ!




