玉兎 その62 新しい都市伝説誕生?ターボ婆さんならぬ、爆走美少女。『いや誕生しないですから!』
…いつも、つたない作品を読んでくれて、すまないねぇ……。
_:(´∽`」 ∠):
「それは言わない約束よ?お父っつぁん。」(←誰?)
渋々諦めた二人なのですけれど。
完全には諦めてはいないようなのです。
宿泊先に着いたら、わたしを着せ替え人形にする気満々なのですね。
……いや、別に着替えるのは構わないのですが、一着か二着、着られればいいのですよ?
当面の偽装ができれば、それでいいわけですから。
そう言っても、聞く耳持たずに「髪型はどうしましょう?」とか「アクセサリーは?」とか話しこんでいるのです。
女、三人よれば「姦しい」とはこのことか。
三人といっても、わたしは話には入っていないですけれどね?
たまに意見を求められるのですが、遠い目でテキトーに相槌を打つばかりなのです。
……まあ、なんですか。
追い詰められた状況でストレスがたまっていたのかもしれないですね。
それならば、着せ替え人形になってやって、多少の娯楽を提供するのもやぶさかではないのです。
寛大なわたしに感謝するのですよ!
その後は、追加の襲撃もなく無事に次の宿泊地に着いたのです。
途中で時間を取られたせいもあって、着いたのは日が沈むギリギリ前なのですよ。
暗くなる前にたどり着けてよかったですね。
さすがに、アンデッドが出るかもしれない状況で、夜間移動とかゾッとしないのですからね?
わたしたちだけなら、よっぽどの強敵が複数……例えばAランクの魔物が複数とか出てこなければ、夜だろうと問題はないと思うのですが。
それでも、避けられる危険は避けるのが基本なのですよ!
着いた宿泊地は、中規模の町だったのです。
名前は………。
なんといったか、たしかランバーグとかリンドバーグとか。
そ、そんなことはどうでもいいのです!
どうせ、公都への中継地というだけの町なのですからね!
町に入る時に、リルやランの存在で一悶着あるかと思ったのですけれど、グイナルさんが懐から出した紋章を門番に見せたらフリーパスで入れたのですよ。
『この紋所が目に入らぬか?』的なものですかね。
さすがはこの国のお姫様御一行。
思ったより楽に公都まで行けそうなのです。
一応は前の国で発行してもらった従魔の許可証は持っているし、リルたちも首輪や足輪は着けているのですが、国が違えばまた許可を取らなければいけないかもしれないですからね。
それがフリーパスで町に入れるなら、かなり楽になるのです。
その点でもお姫様たちに同行して正解でしたね。
まあ、速度は……この際、遅くても仕方ないのです。
馬車に合わせるしかないですから。
…………それにしても、くっそ遅かったのです!
途中、わたしが自分で馬車を引いて走ってやろうかと思ったくらいなのですよ!
やらないですけどね!
馬車を引いて街道を爆走する金髪美少女。
新しい伝説、というか怪談が発生してしまいそうですからね!




