玉兎 その60 わたしに貴族のフリをしろと?(フフフン♪この美貌では仕方ないですね!)
いつも、つたない作品をお読みくださいまして、ありがとうございます♪
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これからも楽しんでいただけると嬉しいです。
「問題ないのです。
わたしとランが光魔法で洗脳を解くのですよ。
正気に戻すことさえできれば、味方を増やすこともできるのではないですか?
まあ、洗脳されていれば、の話ですけれど。」
しばし考えこむ、お姫様。
「わかりました。
ミラ様には、わたしについて宮殿にあがり、お父様やお兄様を鑑定していただきたいのですが、よろしいですか?」
そうそう、協力するって言ってるんですから、使える者は使うべきなのですよ。
わたしはこっくりと頷くのです。
「ええ、承知したのです。」
馬車の中にホッと緩んだ空気が流れるのですよ。
まだまだ楽観はできないですが、わずかながら希望が見えてきたのですかね?
すると、侍女の人が言うのです。
「ミラ様が宮殿にあがるなら、名目が必要ですね。」
「個人的な護衛ではダメなのですか?」
と、聞いてみると。
「ダメということはございませんが……。
近衛兵でもない、個人的に雇った護衛が宮殿の奥、それも大公殿下や、公子殿下様方にお会いしたり、目の届く場所に入るのは難しいですね。」
あー。そりゃ難しいですか。
今のわたしは社会的地位とか、なんにも無いですからねえ。
登録してないから冒険者でもないですし。
そんな氏素性の分からない人物を、この国で一番やんごとない人がいるところには入れないですよね、普通。
別に忍び込んで鑑定してもいいんですけれども。
でも、もし洗脳されていたとしたら、解くためにはある程度は近くに行きたいところですね。
手が届くくらいには。
さて、どうしたものか。
考えていると、お姫様がにこやかに話してきたのですよ。
「それならば、こういうのはどうでしょうか?」
お姫様はなにかいい案があるのですか?
フッ。
さて、賢狼にして聖獣であるランを越えるほどの名案が、あなたに出せるのですかね?
お手並拝見なのです。
お姫様に目を向けると、続けるのです。
「ミラ様はとても貴族的な容姿をしていらっしゃいますから、他国の貴族の子女としてご紹介するのはいかがでしょうか?」
はい?わたしに貴族のフリをしろと?
鑑定されたらバレるんじゃないですかね?
そう聞いてみると。
「他国の貴族の子弟を鑑定するような非礼は、普通致しませんわ。
わたくしが紹介するのですから尚更です。
それに鑑定のスキルを持つ方は希少で、公国でも10人もいないのです。
キャサリーテもその一人ですけれどね。」
ヘっ?鑑定ってそんなに希少なスキルなのですか⁈
公国の人口がどれくらい多いか知らんのですが、仮に百万人としたら、十万分の一の確率ですか。
そして、そんな希少な鑑定持ちに一発で当たってしまったと……。
べ、別に運が悪いとか思ってないのです!
むしろ、めっちゃ引きがいい、幸運の持ち主なのですよ!
だって、お姫様に会えたし、裏事情も知ることができたのですからね?
知らずに神殿に行ってたら、面倒なことに巻き込まれていたかも知れないのです。
だから、まったく問題ないのです!




