玉兎 その59 斜め上45度からチョップ!
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これからも楽しんでいただけると幸いでございます。
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( ❛ ᴥ ❛ )
ランの場合、普段の前書きとあんまり変わらないですね。
ゾンビーズの襲撃が、その貴族の仕業かもしれない、とお姫様に伝えると。
「あり得るお話ですね。あの男ならやりかねませんわ。」
とのこと。
嫌な方向で信頼されているのですね。
兎も角、協力すると決めたわけですから、敵味方の情報をしっかりと聞いておくのです。
・強欲貴族の名前は、ボーダン侯爵。
大公(公爵?)が元首の国だから、実質最高位の爵位持ちだとか。よく分からんですけど。
・戦力。神殿を占拠した兵力は約200名。
その他に、公都の邸宅に50名、自分の領地に500名くらいの私兵がいるらしい。
・最近になって、魔法を使う側近を雇い入れたらしい。
てゆーか、そいつが死霊術師(仮)なのでは?
あと参謀?
一方、お味方のほうは……。
・実質、この一行だけ。
え。マジで?
素で驚いてしまったのですよ!
この戦力差でよく反抗しようと思ったのですね!
「お恥ずかしい話ですが、宮廷でも味方はいないのです……。
有力貴族でも中立でいてくださるだけで、充分好意的ですわ。
それに……。」
と、少し言い淀むお姫様。
「お兄様にしても、他の貴族たちにしても、あのような暴挙を受け入れるなど、最初、わたしには信じられませんでした。
皆、それぞれ差こそあれ信心深い方たちでしたのに。
なんだか急に人が変わられたようで、不安なのです……。」
んんん?
……急に人が変わったって……。
ひょっとして、闇魔法かスキルで洗脳か魅了でもされてるんじゃないですかね?
状態異常は、鑑定で分かりましたっけ?
戦闘侍女の人なら分かるのでは?
うーん、洗脳や魅了の存在を知って、疑ってかからなければ、わざわざ家族に鑑定などしないですか。
森で魔物に遭遇したわけでもないですし。
これも、一応教えておくべきですかね?
というわけで、闇魔法やスキルによる洗脳、魅了の疑いがあること、侍女の人の鑑定で分かるかもしれないことを伝えるのです。
すると、驚きの声を上げるのですよ。
「まさか!そんな魔法が…!」
「……しかし殿下。そう考えると皆さまの不自然な行動も納得できます。
特に公子殿下は、賄賂など受け取る方ではありませんでしたし。」
「これも、今はまだ疑いがある、というだけなのです。
しかしながら、可能性がある以上は確認はするべきだと思うですよ。
公都に戻ったら、人が変わったというご家族や貴族たちに鑑定をしてみるのです。
会えるのであれば、わたしが確認してもいいですよ?」
と、提案するのですが、あまり乗り気ではないのですね。
「……ですが、もし確認して洗脳されていたとしても、わたしたちにはどうすることもできませんが……。」
いやいや。何を言っているのですか。
精神系の状態異常など、斜め上45度からチョップすれば正気に戻るのですよ!
………間違えたのです。
それはふる〜い真空管テレビの直し方(物理)なのですね。
ではなくて、わたしとランがいるのですよ?
光魔法でスッキリさっぱり治してやるのです!




