玉兎 その56 バカ貴族につける薬はないっぽい?さて、どうしたものか。
いつも、つたない?作品を読んでくれて、ありがとうなの!
これからも楽しんでもらえたら嬉しいのよ?
A
(♯╹ω╹♯)
えーと、聞き間違いですかね?
なんか、お貴族様が兵隊さんを率いて、神殿を占領しちゃった!テヘペロ♪的な言葉が聞こえた気がするのですけれど。
マジで⁈
えっ?神殿に護衛なんかは居ないのですか?
それに、勝手に占拠して国から咎められないのですかね?
それをお姫様に聞くと。
「大きな神殿ですので警備の兵はいますが、ごく少数でしかありませんから。訓練された200名以上の兵を止めることはできませんでした。
それと国ですが……。
身内の恥なのですけれど、大公の後継ぎである兄がその貴族からの賄賂を受け取っていて、黙認されているようなのです。」
あちゃー。典型的なバカ王子、いやバカ公子ですか?
神さまが実在する世界で、神殿に武力でもって押し入るとは……。
そして、それを賄賂で黙認とか、呆れて物が言えないのですよ!
「国民への表向きの説明としては、不埒者から神殿や巫女を守る為に兵を置いていると……!」
怒りのあまり、声が震えているお姫様。
その気持ちは分かるのですよ。
『おまえが言うな!』と叫びたいですよね。
地球でも、よくあったパターンなのです。
例えば、
・隣の国で自国系の民が虐待されているから、保護するために攻めたのです!
(けど、虐待の事実はなかったのです。 攻めてるおまえらこそ住民を虐待してるのですよ!)
・大量破壊兵器を隠しているから攻めたのです!
(やっぱり、そんな物は無かったのです。攻めてるおまえらこそ大量に破壊してるのですよ!)
などなど、類似例は多数なのですね。
大義名分さえ捏造して、武力でもって我を通す。
世界が異なっても人のやることは変わらないのですね……。
お話はまだ続くのです。
「神殿を占拠した貴族は、主だった者たちを人質として閉じ込めています。
そして……人質を盾に、姉に蘇生魔法や治癒魔法を強要して、法外な料金を取っているそうです。」
ふーむ。
このままでは、巫女にも会えず、聖域に行きたいと言っても、きっと門前払いなのですよ。
それどころか、正面から行っても下手をすれば捕まってしまうかもしれないのです。
まあ、雑兵ごときに捕まる気はないのですけれど。
これは、『忍びこんで聖域に行く』案が現実味を帯びてきたのですか。
考えこんでいると、お姫様が居住まいを正して、まっすぐにわたしを見て言うのです。
「わたくしたち人間の事情に、神獣であるミラ様を巻きこむのは筋違いかもしれませんが、姉である巫女と神殿を解放するために、力をお貸し願えませんでしょうか?」
そう言うなり、深く深く頭を下げるお姫様と、となりでそれに倣う戦闘侍女。
さて、どうしたものか。
活動報告にも書きましたが、おとといの夜に兄が急死いたしました。
ストックがあるので、しばらくは投稿できますが、その後に少し滞るかもしれません。
あと、しばらくの間、感想への返信を控えさせていただきます。
これも活動報告に書きましたが、送られてくる感想が大変面白く、自分も返信するのをとても楽しみにしていました。
送っていただいた感想には必ず目を通しますので、少しの間だけご容赦をお願いいたします。
m(_ _)m




