玉兎 その51 なんだか、遠回しに告白されてないですか?(違う)
いつも、つたない作品をお読みくださいまして、ありがとうございます♪
(´∀`*)
これからも楽しんでいただけると幸いです。
『打算でもいいではありませんか。
人の命を助けられたことは間違いないのですから。』
話を聞いていたランが、わたしに念話で言うのです。
ん?ちょっと待つのです?
今、わたしは別に(念話で)心の内を話してはいなかったのですが、なぜ考えていることが分かったのですか?
ランさん?
『ご主人様の考えていることなら、見ていれば分かります。
その……、わたしもいつもご主人様のことを考えていますから。』
と少し恥ずかしそうに言うのですよ。
……ええっと。
なんですかね、これ。
『あなたのことをいつも考えています(照れ)。』とか。
なんだか、遠回しに告白されてないですか?
まったくもう!可愛い奴め!
あとで全身撫で回してやるのです!
おっと、話が逸れたのですね。
目の前の三人に集中するのです。
と、話している間に食事の支度ができたようですね。
メイド(仮)ちゃんがお盆を持ってこっちに来るのですよ。
当然のこと、主人であるお姫様から先に給仕しようとするのですが。
給仕される本人が恐縮して、わたしから先にと言おうとしたので念話で止めたのです。
『わたしのことは、この場にいる三人の秘密にして欲しいのですよ。あまり多くの人に知られたくないですからね。
なので、人の目がある場では、わたしのことは魔物使いのミラとして扱って欲しいのです。
よろしいですか?』
それを聞いて、ハッとして動きを止めるお姫様。
少しだけ頬が赤くなっているのです。
当初からのわたしの対応を考えれば、わたしが自分の正体をバラされたくないと思っていることは自明の理。
それに気がつかなかったのが、ちょっとだけ恥ずかしいのですね。
大人しく給仕を受けるお姫様なのです。
メイド(仮)ちゃんに聞かせるわけにもいかないので、お話は中断なのですよ。
遅い昼ご飯のメニューは、少し固いパンに腸詰肉と野菜の入ったポトフっぽいスープなのです。
ソーセージって保存食だったのですかね。
そういえば、ファンタジー系の映画とかで酒場の厨房に束でぶら下がっていたような……。
個人的には、もう少し胡椒とか効かせたいところですが、ソーセージの出汁と塩味で充分に美味しいのです♪
表情に出てしまったのですかね?
お姫様が柔らかく微笑んで、話しかけてくるのですよ。
「お口にあったようでなによりですわ。」
「ええ、とても美味しいですね。
人の作る食事は暖かくて、とても気に入っているのですよ。」
わたしも笑顔で答えるのです。
侍女の人もグイナルさんもほんのり頬が赤らんでいるのです。
さては、神獣であるわたしの神々しいまでの美貌に照れているのですね?
フフフン♪
こんなふうに同席することなど滅多にないのですからね。
今のうちに存分に堪能するのですよ!
は、話が進まない……。
1話千文字前後だから仕方ないといえば、仕方ないのですけど。
文字数的には普通の速度なんでしょうか。
ヴォルパーティンガーが『その86』までだったし、このままのペースだと『玉兎 その200』とかいきそうですね。
f^_^;




