玉兎 その48 『うそーん!なんでバレたのですか〜!!?』
いつも、つたない作品をお読みいただきまして、恐悦至極にござりまする。
m(_ _)m
これからも楽しんでいただけると、幸いで御座候。
「あの……わたしの顔に何かついているのですか?」
マジマジと見られていたので、これまたテンプレで再起動を促すのですよ。
ハッと我にかえる三人。
慌てて取り繕うグイナルさんなのです。
「これは失礼した!
ミラ殿が思いのほか美しかったのでな、つい食い入るように見てしまったのだ。許されよ。」
わたしは頷いて謝罪を受け入れるのです。
すると今度はお姫様から質問が。
口調は冷静なのですけど、目がキラキラしてるのです。ロックオンされたのです…?
「ミラ様は礼儀作法もご存知のようですし、いずこかの国の貴族のお生まれなのですか?」
「いいえ。おそらくは違うと思うのですが、正直に言えば分からないのです。
物心つく前から森の奥で祖父と従魔たちと暮らしていたのですが、出自の話は聞いていないのですよ。
祖父ならなにか知っていたかもしれないですが。
もう何年も前に亡くなっているので、今となっては分からないのです。」
またまた、しれっと嘘設定を話すわたし。
もう慣れたものですね。
しかし、今回はさらに設定を盛る必要があるかもしれないのですよ。
何故なら、公都まで5日間同行するということは、一日中行動をともにするということ。
文字通り、おはようからおやすみまでとなると、わたしの変化時間が足りなくなるかもしれないのです。
フッフッフ。
この日のためにランを始め、群れの皆と考えに考え抜いた『魔物使いミラ』の公式設定が火を吹くのですよ!
と、内心で盛り上がっているのですけれど、お姫様の後ろに立っていた侍女っぽい人が、めっちゃ青褪めて震えだしたのです。
なにごと?
病気?食あたりでもしたのですかね?
怪訝に思っていると、やや年上っぽい侍女(仮)はこちらを見ながら、青い顔のままでお姫様に耳打ちするのですよ。
それも丸聞こえなのですけど。
(フィルリネア様、落ち着いてお聞きください…。
この女性は……、いえ、このお方は月神様の加護も厚い眷属、神獣玉兎でございます…!
変化して人間の姿をされていますが、言うなれば神の使いです……。お立場はあちらが上。辞を低くして接するべきかと思います……!)
それを聞き、目を丸くして驚くお姫様。
同じく、驚きで目を丸くするだけでなく、内心では大声で叫んでいるわたしなのです!
『うそーん!なんでバレたのですか〜!!?』




