間話 その15 スクヴェイダー 決まり手は風魔法加速からの押し倒し
200話記念で追加投稿いたします。
つたないながらも、ここまで続けてこれたのは、いつもお読みくださる読者様方のおかげです。
改めまして感謝を申し上げます。
m(_ _)m
千文字縛りで進みは遅いですが、なんとか完結に持っていけるよう頑張りますので、これからも楽しくお読みいただけると幸いです。
ありがとうございました!
ψ ψ
(๑╹ω╹๑ )
『ヤーイ、リルネエちゃんはナキムシ、アマエンボウなのデス!』
ぐぬぬぬ……。
レイちゃんが高い木の上から囃し立てるの!
まったく誰に似たのか、レイちゃんはとっても意地悪なのよ!
さっきもリルのお尻をくちばしで何度もつっついてきたの。
怒って追いかけたら、いつもみたいに木の上に逃げたのよ?
こっちが追いかけられないと思って!
ズルいのよ!
でもでも、今日のリルはひと味違うのよ?
昨日、スクヴェイダーに進化したから、今のリルにはお姉ちゃんと同じ翼があるの!
これで高い木の上でも、お空に逃げてもレイちゃんを追いかけられるの!
というわけで、ミラお姉ちゃんの真似して、れっつらごー!なの!
羽を広げて魔力を流して飛び立つの!
翼はミラお姉ちゃんとおそろいだけども、お姉ちゃんよりは小さいのよね……。
お姉ちゃんが言うには、リルの羽はすごく高くは飛べないかもしれないけど、小まわりがきいて瞬発力?はあるだろうって。
飛んで近づいてくるリルを見て、レイちゃんはびっくりして木から飛び立つの。
まっすぐ飛んだり、大きく曲がったり、ジグザグに飛んだりするけれど、ピッタリついて行くのよ?
焦ったレイちゃんが風魔法を使ってさらにスピードを上げるけど……。
フッフーン♪
風魔法はリルも得意なのよ?
さらに加速して、どんどん距離を詰めるの。
レイちゃんは涙目で逃げ回るけど、真後ろにピッタリついて行くと、しばらくして急に速度が落ちたの。
魔力が切れたのかな?
リルは、レイちゃんの背中を押して高度を下げて、地面に押さえつけるの。
レイちゃんは涙目でプルプル震えているのよ?
可愛いけれども、心を鬼にして?言うの。
『レイちゃん!
家族が嫌がることをしちゃいけないの!
分かった?
分かったら、ごめんなさいするの!』
レイちゃんは、一瞬だけポカンとした顔をして、こっちを見るの。
ひょっとして、叩いたりケガさせたりすると思ってたのかな?
失礼しちゃうのよ!
大事な家族にそんなことするわけないのに!
ジロッと目を見て、うながすと謝ってきたの。
『ゴ、ゴメンナサイ、リルネエちゃん。
モウ、シナイのデス……。』
うん。レイちゃんはちゃんと謝れて偉いの!
押さえつけてた前足を離して、レイちゃんを立たせてから、舌で羽繕いしてあげるの。
ミラお姉ちゃんがしてくれたみたいに。
レイちゃんは嬉しそうに目を細めるの。
ミラお姉ちゃんほど上手じゃないけど、リルだってこのくらいできるのよ?
『さあ、一緒にミラお姉ちゃんのところに戻るのよ?』
『ウン、リルネエちゃん。
リルネエちゃんはトッテモハヤくトベて、スゴイのデス!』
フッフーン♪
あー、スッキリしたの!
これでもう飛べないからって馬鹿にされないの。
とってもいい気分で、お姉ちゃんたちのところに戻るのよ!




