玉兎 その37 いや、けっして自分もビームサーベル気分を味わいたいとかいう訳じゃないのですよ?
いつも、つたない作品をお読みくださいまして、ありがとうございます。
m(_ _)m
そして誤字報告もいつもありがとうございます。
たまには、普通のテンションでご挨拶させていただきます。
これからも楽しんでいただけたら幸いです。
ほぼ全てのゾンビを穴に落としたのですよ。
ゾンビは五体をバラバラにするか、魔石を抉るか砕くかしないと止められないので、胸から上が出るくらいの深さで。
それを槍で突いたり、剣で両腕落として反撃を封じてから胴体を切ったりと、次々にとどめを刺していく護衛連中。
なかなかの連携、戦い方なのですね。
練度、士気も高いし、正騎士もいるし、正規兵っぽいのです。
まあ、うちの子たちも負けてないのですけどね!
改めてゾンビに斬りかかるリルを見ると。
おや?
なんか切断面が溶けてるような……?
まるでビームサーベルかヒートソードで溶断したかのような切り口なのですよ。
魔力視には赤く光って見えているので、ヴォーパルホーンに魔神撃を併用しているっぽいのですけど……ちょいと過剰戦力なのですかね。
しかし、それだけでは溶かして切れる理由にはならないのです。
何か忘れているような?
あっ!
わたしたちは神性、神気を帯びているのです!
たしか、光属性よりも瘴気などの浄化力が高いとか書いてあったような気がするのですよ。
……わたしもちょっとだけ試してみるのです?
いや、けっして自分もビームサーベル気分を味わいたいとかいう訳じゃないのですよ?
あくまでも、戦力査定、実戦での試験をすることによって、自分に何ができるかを把握するためなのですから!
そうと決まれば!
全滅しないうちに手近なところにいるゾンビに斬りかかるのですよ!
ランに念話で意図を伝えて軽く走ってもらい、穴にはまったゾンビに近づいていくのです。
おもむろに左腰からアルミナイフ(仮)を引き抜き、魔力と神気を込めて軽く振りかぶり。
すれ違い様に斬り下ろすのです!
バシュッ
……あれっ……?ゾンビの上半身が消失してしまったのですけど……?
しかも、アルミナイフ(仮)から文字通り光剣っぽい剣身が1メートルくらい伸びているのです。
やべっ。どうせ護身用だと思って、アルミナイフ(仮)での魔神撃や、神気を込めるのを試していなかったのです!
んんっ?アルミナイフ(仮)が変化しているのです?
研いでもらったとはいえ、角の質感は変わらなかったのに、なんだかガラス質というか、黒曜石っぽい光沢があるのですよ。
お、恐るおそる鑑定なのです……。
『ミルラーナの角剣 ランクA アルミラージの角を材料に、神獣ミルラーナの魔力と神気を込めた短剣。魔力や神気を通すと魔力自体が剣身を形作る。威力は込めた魔力に依存する。長さは最大で5メートルほど。魔神撃によって各種属性をのせることも可能である。』
ま、まさかこんな化学変化?をするとは……。
護衛連中もびっくりしてこっちを見ているのですよ。
また、言い訳を考えなければいけないのです!
今度も光魔法で誤魔化せないですかね?




