玉兎 その29 さらば、辺境の街…………。
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誤字報告は、同じ内容が二つくるのはなんでだろうと思ったら、誤字誤用の説明用と、修正用にわけて送ってくださっていたんですね!
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ありがとうございました!
m(๑>◡<๑)m
革の胸当てを身につけ、腰のベルトにアルミナイフ(仮)を差し。
パンツルックに革のブーツを履き。
フード付きローブをかぶって、顔の下半分を布で隠して完成なのです!
フル装備をするのは面倒くさいですけど、カッコいいから気にしないのです!
どうですか?みんな。
リル、ラン、レイ?
『ミラお姉ちゃんはいつでもカッコいいのよ!』
『さすがご主人様ですね。どこから見ても人間の冒険者にしか見えません。』
『レイは、モトのスガタのほうがイイけど、ヒトのカッコウもカッコいいヨ?』
フフフン♪
みんな分かっているではないですか!
ええ、けっして冒険者のコスプレをして楽しんでいるわけではないのです。
ないのですよ⁈
あくまでも、人の街に潜入するときのための護身用装備なのですから。
さてと。これでこの街ですべきことは終わったのです。
いよいよ、北の隣国にあるという月神様の本神殿に向かうのですよ!
意気揚々と大通りを進むのです。
いつも通り、レイは肩に、リルはわたしの腕の中。
ランは隣を歩いているのです。
門に近づくと、そこには見覚えのある顔が待っていたのですよ。
ガルド、リサたち冒険者連中なのですね。
今日、街を出て北を目指すことは伝えてあったのですけど、わざわざお見送りとは殊勝な心がけなのです。
「ガルドにみんな、わざわざ来てくれたのですか?」
「当然だろ?ミラさんにしてもらったことを思えば。
あんたは俺たちの命の恩人なんだからな!」
と、ガルド。
「そうよ!寂しくなるけど、また帰ってきたら声をかけてね!」
これはリサなのです。
「あんたなら大丈夫だと思うが、道中気をつけてな。」
うんうん、いつも堅実なのですね、槍使いは。
「まあ、その格好で素顔を見せなけりゃ、絡まれることもないだろうから、大丈夫だろ?」
弓手は相変わらず軽めなのですね。ちゃんとガルドや槍使いの言うことを聞くのですよ?
「みんな、ありがとう。
森を出て初めて会ったのが、あなたたちで良かったのです。
また会えるかは分からないですが、それまで元気で。
フフッ、依頼でも無茶をしてはいけないのですよ?」
袖ふりあうも多生の縁。少しだけ胸の中がほっこりあったかくなったのですね。
だから最後はマスクを下げて、軽く微笑みながら答えたのです。
少しだけ顔を赤くしたガルド。
「ああ、肝に銘じておくよ。
それじゃあ元気でな!」
「ええ、あなたたちも元気で。
ラン。行くのですよ。」
軽く会釈してマスクを戻し、歩き始めると隣についてくるランなのです。
そのまま門を出るのです。
入る時は税金を取られるのですが、出る時はスルーなのですね。
色々とあったのですけど、彼等のおかげもあって気持ちよく旅立てるのですかね?
感謝してやらないこともないのですよ。
さらば、冒険者たちよ。また会う日まで!
さらば、辺境の街…………。
……えーっと、街の名前って、なんでしたっけ?
ヘルプなのですよ、ランちゃん⁈
ラン『たしか「ハーグ」だったかと。』
みなさんお気づきのことと思いますが、ミラは人や物の名前を覚えるのが苦手です。
あだ名はすぐ付けますが。
これにてミラ一家四姉妹は、序盤の街からやっとこさ旅立つのでした。
あと少しだけ間話を投稿してから、長考に入ります。




