玉兎 その28 略してアルミナイフ(仮)
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つたない作品ですが、楽しんでいただけると嬉しいです。
昨日と同じ宿に泊まって、翌朝。
わたしたちは、武器屋に依頼したアルミラージの角を使ったナイフを受け取りに行くのです。
略してアルミナイフ。
なんだか一気に弱そうなのです。
軽量なのはいいのですけど、武器としては強度が足りないっぽい感じですね。合金とかなら話は違うのですかね?
まあ、この世界で精錬されたアルミニウムなど当然存在しないですから、無い物は気にしないのです。
店に入り、髭もじゃ店主からアルミナイフ(仮)を受け取り、四角い形状の鞘から抜き出すのです。
「久しぶりに面白い仕事をさせてもらったが、このナイフは刺突には使えても、切断には使えんな。
もちろん研いでおいたから切れ味は多少は上がっているはずだが。」
ふむふむ、確かに鋭さは増しているのですね。
さすがはプロなのです!
わたしは武器の扱いや手入れなど、まったく知らない素人なのですからね。
しかもこの角を研いでいたのは、アルミラージの時なので、額に生えた角をうさぎの姿で砥石も使わずに研いだのですから。
自分では上手くやったつもりでも、プロからしたらまだまだ未熟なのですね。
まあ、このアルミナイフ(仮)はあくまでも護身用というか。
ナンパとか、絡んでくる連中を避けるための抑止力的に身につけるだけなので、実戦ではたぶん使わないと思うのです。
わたしが魔神撃を使えば充分実用に耐えると思うのですけどね?
アルミラージ時代でも、魔力を通せばオークキングの大剣の一撃を受けても折れなかったのですから。
鞘にしまって、代金を払うのですよ。
ついでに、鞘ごと腰に差せるように、幅広の革ベルトも買うのです。いわゆる剣帯ってやつですね。
ベルトを巻いて、アルミナイフ(仮)をしっかりと左腰に固定すれば完成!
これで、ぱっと見にはいっぱしの冒険者に見えるのですかね?
なんかテンションが上がってきたから、革の鎧でも買っちゃうのですかね?
全身は面倒くさいから、胸当てだけでもいいですよね?
街から出たら街道から外れて、元の姿でショートカット移動するつもりなので、無駄使いかもしれないですが。
しかし、それを言うなら、わたしにとってお金そのものが必要の無いものなのですよ。
森の中で狩り暮らししていれば生活には困らないですからね。
しいて言えば調味料くらい?
あとはたまには他人間が作った温かい料理が食べたいくらいですか。
お金が必要なら、また魔石等を売ればいいだけですし。
決定!
革鎧を買って、擬似冒険者気分を味わうのです!




