玉兎 その24 朝ごはんを食べるのです。
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つたない作品ですが、これからも楽しんでいただけると嬉しいです。
さて、リルとランに朝ごはんをあげてから、わたしも食堂に行くのですけど、レイはどうするのですかね?
カラスは雑食だったような気がするので、オークの生ハムか、焼きオークでいいですか?
と、聞いてみたのですが。
レイはわたしと一緒に食堂で食べると言うのですよ。
それを聞いて、残りの二匹が『え〜!ズルい!』とでもいう顔で、パッとこっちを見るのです。
というか、実際に言うのです。
『ええ〜!レイちゃん、ズルいのよ!
リルもミラお姉ちゃんと一緒に食べたかったの!』
『わたしもご一緒したかったですね。
しかしながら、リルお姉様なら食堂に入れてもらえるかもしれませんが、わたしの体の大きさではとても無理でしょう。
残念ですが仕方ありません……。』
それを聞いて、ランを一匹で放っておけないのか、諦めるリル。ちょっとお姉ちゃんぽいのです。
そして、羽ばたいてわたしの肩に再度飛び乗り、勝ち誇るレイなのです。
ぐぬぬぬ、と悔しそうに見上げるリルなのです。
ハァ。しょうがない。
あとでご褒美あげるから、今は我慢するのです。
リルはお姉ちゃんなのですから。
あ。ご褒美といっても、おっぱいエリクサー以外でお願いするのですよ?
レイを肩に乗せたまま食堂に行き、朝ごはんを食べるのです。
レイの分は、細かく切って軽く煮込んで火を通したお肉をもらったのですよ。
レイは、テーブルの上に移動するかと思ったら、肩に乗ったまま口を開けて待っているのです。
……これはひょっとして。
食べさせろ、ということなのですか?
うちの妹たちはみんな甘えん坊なのですね!
まあ、昨日まで雛鳥だったのですから仕方ないですか。
食べさせてあげるから、感謝するのですよ!
レイのあーんと開いた口に、フォークで刺した肉を入れると、アムアムとクチバシを動かし、上を向いて喉の奥に飲み込むのです。
レイが飲み込んでいる間に、わたしは自分の食事を進めるのですよ。
焼きたてのパンに肉と野菜の炒め物。味付けはやっぱり塩ベースなのです。
ですけども、香草なのですかね?ただの塩味でなく、バジルっぽいというかパセリっぽいというか、風味づけがされていて普通に美味しいのです。
魔物に生まれたからか、なんか貧乏舌になってしまったのですよね。
現代日本の料理を知る身としては、簡素極まる味付けと料理なのですけど、村でいただいた食事といい、この宿のご飯といい、普通に満足しているのです。
と、他にも宿泊客がいるのに気配を消すのを忘れていたのです。
周囲からチラチラと視線を感じるのですね。
軽く気配を消して、絡まれないうちにさっさと食べて、街の案内の続きといくのです!




