玉兎 その23 まったく先が思いやられるのですよ……。
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さて、朝ごはんの前に、進化したレイに、リルとランを顔合わせするのですかね。
従魔舎に向かうのですが、部屋を出たら宿の主からあまり騒がないようにと苦情を言われたのです……。
くっ!風魔法で防音結界を張ってから、くすぐるべきでしたか!
レイはわたしの肩に乗って、またニヤケてこっちを見ているのです。
その目は「やーい、怒られた〜(笑)」と、語っているかのようですが、怒られたのはお前のせいなのですよ?
そこを分かっているのですか!?
ギロっとにらんでも、そっぽを向いて誤魔化しているのです。
こいつは……!
ハァ〜、まったく先が思いやられるのですよ……。
『リル、ラン。おはようなのです。
レイが目覚めたので連れてきたのですよ。』
従魔舎の部屋に入りながら、念話で声をかけるのです。
『ミラお姉ちゃん、おはようなの!
レイちゃんもおはよう!元気になって良かったのよ!』
『おはようございます、ご主人様。
レイもおはようございます。良く眠れましたか?』
すると、レイはわたしの肩から羽を軽く羽ばたかせて飛び降り、二匹の前に立つのです。
『リルネエちゃん、ランネエちゃん。
オハヨーございマス。
レイは、レイとイイます。ヨロシク。』
と言って、ピョコンと頭を下げるのですよ。
……なんか、わたしに対する態度と違くないですかね?
『レイちゃんは挨拶ができて、とっても偉いの!
ミラお姉ちゃんと一緒に、リルとランちゃんも家族になったの。
レイちゃんは、分からないことがあったら何でも聞いていいのよ?』
『アリガトー、リルネエちゃん。
レイは、カゾクにナレテうれしーノデス!』
と言って、最後に「カァ」と鳴くあたり、カラスなんだなあと、なんだか納得してしまうのです。
ぱっと見ではカラスとは気づかない人もいっぱいいると思うのですよ。白いから。
しかし、片言の念話を聞いていると、なんかエセ外国人っぽく聞こえて仕方ないのですね。
なんとかならないものか。
進化が進めば知能がさらに発達して、流暢に喋れるようになるのですかね?
うむ。わたしの精神衛生のためにも、レイの進化は必須なのですよ。
リルやランと同じく、一匹でも生きていけるように鍛えてやるのです。
ありがたく思うのですよ!
まあ、鍛えたからといって、一匹で放り出すわけではないのですけどね。




