玉兎 その22 『ママじゃナカったら、ナンなの?』
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つたない作品ですが、これからも楽しんでいただけると嬉しいです!
(*´꒳`*)
またか!
また、この展開なのですか!
『ママじゃないのです!』
と、思わず反論すると。
『ママじゃナカったら、ナンなの?』
と小首をかしげ、冷静に聞いてきたのですけど。
そんなのはこっちが聞きたいのですよ。
とにかく、ママは嫌なので、せめて姉でお願いするのです。
『ワカった。ママネエちゃん。』
全然、まったく分かっていないのですね⁈
テンッテンッと、三本足で器用に跳ねて、わたしに身を寄せてくるのですよ。
となりに来たので、サリサリと羽繕いをしてやると、目を細めてうっとりとするのですね。
というか、お前はなぜに片言なのですか?
と、聞いても首を傾げてこっちを見るばかりなのです。
種族的にアルビノっぽくなったからか、普通は真っ黒なカラスの目も、レイの場合、色素の薄い青い瞳なのですよ。
それはそれで可愛いかもしれないのですけど。
知能はあっても、まだ乳幼児の精神からは抜けていないのですかね。
『レイ。お前はわたしたちの群れの仲間、家族になったのですよ。
家族は助け合い、支え合うものなのです。
レイも家族として支え合っていけるのですか?』
と、聞いてみると、コックリと頷いて答えるのです。
『レイはカゾクをササえる。
トクにママネエちゃんをササえるよ?』
……もうママネエちゃんは固定なのですか?
できれば、ミラネエちゃんでお願いしたいのですけど。
『ワカった、ママネエちゃん。』
そのニヤケた目!わざと言ってないですか⁈
わたしは人の姿になって、レイを両手でがっしりと捕まえるのです。
急な行動に逃げる間もなく捕まるレイ。
そうしておいて、太ももでレイの体を固定し、自由になった両手でレイの背中と首を逆撫でするのです!
ゾワッとして震えるレイなのです。
暴れて逃れようとするのですが、ステータスの差は圧倒的なので、当然身動きは取れないのですよ。
さらには、ひっくり返して翼を足で固定。
広げた脇をくすぐりまくるのです!
カァカァ鳴いて暴れるのですけど、やはり動けずくすぐられ続けるレイなのです。
『キャハハハッ!ヤメテヤメテ!
ゴメンなさい!ワカったからハナシテ!』
フン!分かればいいのですよ。分かれば。
離してやると、ぐったりとして息を整えているのです。
……ちょっとだけ嬉しそうに見えるのは気のせいですかね?
で?
わたしはなんと呼ぶのですか?
『ミ、ミラネエちゃんデス……。』
うむ。よろしい。
こいつの性格が少し分かったのですけど、いたずらっ子というか、お子様なのですね。
まあ、元が産毛の生えた雛鳥なのですから、生後2、3週間、といったところですか。
色々と分別がついていないのも仕方ないのです。
ハァ。分別がついてないのに、知恵は人並みにあるのがまた始末が悪いのですね。
それにしても……他人の嫌がることをする時に見せるあの顔。
通称「悪魔の微笑み」を、この若さで使いこなすとは、末恐ろしいというか、将来が少し心配というか。
いじめっ子にならないといいのですが。
これは、わたしたちでしっかりと躾けてやらなければならないのですね!
具体的には、何か言いつけを破ったらさっきと同じように、逆撫でプラス、くすぐりの刑なのです!
分かったのですね⁈
と強調して言い聞かせると、震えてコクコクと頷くレイなのです。




