玉兎 その19 南◯水鳥拳、または綾波さん
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つたない作品ですが、これからも楽しんでいただけたら幸いです。
( ´ ▽ ` )ノ
『では、お前に名前をつけて、わたしたちの家族にしたいのですが、いいですか？
よければ首を縦に振るのです。』
言うや否や、フルフルと縦に首をふる雛カラスなのです。
『分かったのです。
それでは、今日からお前はわたしたちの家族なのですよ。
その証に名前を付けるのです。』
さあて、雛カラスの名前は何がいいですかね？
カラスは英語でクロウ？でしたか。
クロウといえば、判官義経。
ヨシツネとかカッコいいけど、ちょい固い感じなのですね。
和風ですし、どう考えてもオスっぽいのです。
三本脚は八咫烏だから、ヤッたん。
小学生のあだ名か。
くっ！やはり名付けは難しいのですねっ！
リルとランはすっかり諦め顔なのですよ。
いや、自分の番じゃないから放置なのですかね？
そうはいかないのですよ！
雛カラスの名前が決まるまで、ごはんはお預けなのです！
その言葉を聞いて、『ええ〜〜⁈』という顔をしてこっちに振り向く二匹なのです。
フン！
これで他人事ではないと分かったのですね？
分かったら大人しく待っているのです。
では、気を取り直して、名付けの続きなのです。
うーん、カラスは黒い。
黒はブラック、ノワール、シュバルツなんてのもあったのですか。
黒色ランちゃん艦隊、全艦突撃！
なんつって。
黒いのか白いのか分からない艦隊なのですね。
ピイピイ鳴くから、ピイ助。
それは、野比さん家の恐竜なのです。
うむむむ。ブラックから取って「ラック」か、クロウから取って「ロウ」なんてのはどうですかね？
でも、どっちもオスっぽいのですよ。
うーんうーん、雛をもじって、さらに鳴き声をプラスして、ピナ、なんてどうですか？
響きも可愛いし、メスっぽいのですが。
しかし、雛のうちはいいとしても、この後名付ければすぐに成長してしまうかもしれないのです。
カラスの黒い姿で「ピナ」とかちょっと可愛い過ぎて、キラキラネームっぽいのです。
関係ないですけど、キラキラネームの人がおじいちゃんおばあちゃんになったら違和感ありまくりなのですね。
「愛」おばあちゃんとか「王子」おじいちゃんとか。
いや？一周回って、可愛い爺ちゃん婆ちゃんですか？
あとはカラスではレイヴンなんてのもあったのですか。
某海外の有名作品にもレイヴンク○ーなんてのもあったし。あれは学生寮の名前でしたか。
レイヴンからとって「レイ」とか、かっこよくないですかね？
大人になっても違和感がないですし、メスっぽさもあるのです。
決定！
今から、お前の名前は「レイ」なのです！
すると、やっぱりわたしの体から何かが抜けていくのですよ。
この展開にも慣れたものですね。
しかし、MPだけでなく、他のものも吸われたような……。
具体的には神気が抜けた気がするのですけど、大丈夫なのですかね？
雛カラス改め、レイはもう眠っているのです。
わたしの手の上で。
どうせ今日は休養にするのですから、このままここでひと休みといくのですか。
いや、その前に宿の主人に従魔をもう一匹泊めてもらえるように伝えるのです。
わたしは、そっとレイを寝藁に下ろしてから、宿の受付に向かうのです。
おっと。
名前をつけたのだから、二匹にごはんをあげなくてはいけないのですね。
今日もオークの生ハムでいいですか？
雛カラスの名前をレイと決めてから、綾○レイの前に、南○水鳥拳を思い出した作者。我ながら古いのです。
