玉兎 その17 んん〜〜〜っ!ハァー。怒涛の一夜が明けて、新しい朝がきたのです。
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つたない作品ですが、これからも楽しんでいただけたら幸いです。
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寝ながらも枕を涙で濡らしていると、ドアをノックする音は聞こえたのです。が、無視して惰眠を貪るのです。
おそらく、宿の主人が朝食について聞きにきたのだと思うのです。聴覚的にも嗅覚的にも、宿の主人でしたから間違いないのですよ。
そして、一つ息をつくと、そのまま去っていったのです。諦めたようですね。
それでは、おやすみなのです♪
おはようなのです。
今は昼過ぎくらいなのですかね?
目がショボショボするのですよ。
朝日とともに目覚め、日没とともに寝る、健康的な野生の魔物生活から外れてしまった代償なので仕方ないのですけど。
玉兎の姿のまま、伸びをして翼も広げるのです。
といっても、ヴォルパーティンガーと姿は変わらないのですけどね。
んん〜〜〜っ!ハァー。
怒涛の一夜が明けて、新しい朝がきたのです。
懐かしのラジオ体操のフレーズを鼻歌で歌ってベッドから飛び降りるのですよ。
すると、ランから念話が届いたのです。
『おはようございます、ご主人様。
起きられましたか?それでは、一度、こちらにいらしていただけないでしょうか。
雛鳥が目を覚ましましたが、どうもご主人様を探しているようです。
それと。宿の食堂にガルドたちが来ているようです。
そちらの対応もお願いいたします。』
しまったのです。
ガルドたちのことを忘れていたのですよ。
昨日はギルド、神殿を案内してもらったのですが、今日は一日街で買い物などする予定だったのです。
しかし、昼まで寝たせいで待ちぼうけを食らわせてしまったのですね。
うーむ。それでも、雛カラスに名付けて従魔にすることの方が優先順位は高いのです。
ガルドらには悪いのですけど、今日の予定は中止してもらうのですね。
そうと決まれば、さっさと変化して断りにいくのです。
面倒くさいけど、フードにマスクの完全防備で食堂に出向くと、ガルドたちが一つのテーブルを囲んで談笑中?なのです。
わたしに気づいて、手を上げるガルド。
近づくわたしに、聞いてくるのです。
「こっちだ、ミラさん。
今まで起きてこなかったらしいが、ずっと寝ていたのか?」
「ええ、そうなのですよ。
初めての街で少し疲れたのかもしれないのです。
申し訳ないのですけど、今日は一日休養したいのですが、よろしいですか?
皆の時間を無駄にしてしまったのですから、いくらかお支払いするのですが……。」
「いやいや、休養は構わないけど、何もしてないのにもらえないよ!」
うーん、それでも何も予定がなければ、別の依頼を受けて稼げていたかもしれないのです。
せめて、朝に断ればよかったのですね。
そうだ!
「では、皆さんお昼ごはんは済ませたのですか?
まだなら、わたしはこれから食べるので、奢らせて欲しいのです。
一日、棒に振らせてしまったお詫びなのですが、いかがですか?」
と、提案してみると、二つ返事で了承されたのですよ。
フフフン?
ランに相談しなくても、これくらいはわたしだって思いつくのですよ!




