アルミラージ その4 やっぱり、灰被り姫。いや、泥塗れ兎。
それでは、角うさぎ改め、アルミラージなわたしの最初の行動は?
ドルルルルルルル(ドラムロール的な)〜〜〜デン!
地面にゴロゴロ転る、でした〜!
まず何はなくとも、このゴールドなモフモフを隠さなくては始まらないのですよ。
まったく、金色の野生動物とかありえないのです!
突然変異でもなければ、アルビノ以上に淘汰されて絶滅待ったなし、なのです。
まあ、獰猛な? アルミラージさんですから? 食物連鎖的にもわりと上位に位置するのでは? とも思うのです。
もう食べられる側ではなく、食べる側なのですが、それでもバトルフィールドを作り、土と泥で迷彩を施すのです。
獅子はうさぎを狩るのにも全力を尽くす、というのです。
いわんや、角うさぎをや。なのです。
つまり、角うさぎならば尚更に、全力以上に力を尽くさなくてはならないのですよ!
というわけで、砂場、土、泥にスリスリ、ゴロゴロとマタタビに酔う猫のように擦りつけるのです。
側から見ればさぞかし滑稽な…(省略)。
笑いたければ笑うといいのですよ!
こういう地道な積み重ねが、明日の勝利へと導くのです。
うむうむ、だいぶ汚れたのですね。
これだけ金色が隠れれば、かなり目立たなくなったのではないですか。
しかし毎度毎度、面倒くさいのです。
なんで最初から迷彩柄の毛並みにしてくれないのですかね?
せめてメタリックゴールドでなく、光沢の無い黄色なら、ライオンみたくサバンナでは迷彩になり得るのに。
わたしはメタルなレアキャラなのですか!
嘆いても毛並みが変わるわけでもないので、次の作業に移るのです。
そう、スィートマイホームのお引越しするのですよ。
旧スィートマイホームの周囲は、血の池地獄になってしまったので、というかわたしが血の池地獄にしてしまったのです。
さすがにスプラッターすぎるのでお引越しするのですが……。
……これ、アンデッドとか発生しないのですかね?
ゴブリン、オオカミ合わせて30匹以上血祭りにあげてるのですから。
うーん、心配はしてみても現状では、それを阻止する手段を持ち合わせていないので、そのまま放置するのです。
お祈りとか、供養とか浄化とか使えないのですよね。
形ばかりお経を(頭の中で)唱えておくのです。
ナムアミダブツ、ナムアミダブツ。
んっ? 前世では浄土宗だったのですか?
まあいいや、ナンミョーホーレンゲキョーでもアーメンでも、気持ちだけなのですから、迷わず成仏するのですよ。
……成仏が仏教用語なのですね。
天に召されるでも、地に帰るでもいいのですが、スィートマイホームの近くでゾンビにはならないでください、なのです。




