玉兎 その12 断!罪!なのデス!
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m(_ _)m
つたない作品ですが、これからも楽しんでいただけたら幸いです。
(*´ω`*)
砂嵐が止むと、全身血だらけの風船おやじがうずくまって呻いているのです。
いわゆる虫の息なのですね。
このままでも失血死するのですが、それを待つほどわたしも暇ではないのですよ。
とどめの無酸素即死魔法、デス!なのデス。
一瞬で苦悶の表情に変わり、青を通り越して紫のチアノーゼな顔色で苦しみだす風船おやじなのです。
う、うわー。自分でやっておきながらちょっと引いてしまったのです。
倒れ伏して、しばらくピクピクと痙攣した後、動かなくなったので、アイテムボックスに収納。
うん。完全に死んだのですね。無生物しか入れられないっぽいですから。
そして次は、リルと雛鳥を宿まで送り届けるのです。
リルはちょっと不満顔なのですけど、雛鳥をこのまま連れ回すわけにはないからお願いするのですよ。
あとでご褒美を約束したら、ルンルンで帰ったのです。
まあ、リルのご褒美なので、帰ったら撫でてあげればいいのですよ。
続けて、他の檻にいる魔物、魔獣を森に転移で帰すのです。
他者転移は抵抗されたらかからないっぽいのですが、わたしは今やSランクの神獣、玉兎なのです。
高い魔力を使ってごり押しで転移させていくのですよ。
最後に、違法奴隷の女子たちには回復魔法をかけ、牢の鍵を壊して終わりなのです。
魔力撃改め、魔神撃の角でさっくり錠前を切り捨てるのですよ。
わたしができるのはここまで。
他人間の面倒まで、最後までは見られないのですからね?
わたしのオリジナル必殺(?)治癒魔法、パーフェクトヒールをかけておいたから、心も体も完全回復なのです!
あとはこの街の衛兵なら、ある程度は信用できるからお任せなのです。
そこまでしたら、わたしは超感覚を全開にして地下から出るのですよ。
再び、ピョコタンと階段を登っていくのです。
この屋敷に残る使用人たちの気配は完璧に把握済み。
あとは一人ずつ鑑定して悪事に加担していれば、その程度によって、ボコるか、〆るか決めるのです。
加担していないただのメイドなどは放置なのです。
朝までグッスリおやすみなのですね。
そうでない連中は永遠におやすみなのです。
それではかかれ!なのです。
終了!なのです。
結果は8割方断罪、残りは軽く恐怖を与えて睡眠魔法(闇属性)でお眠りいただいたのですよ。
執事っぽいおっさんや男使用人たちは、ほぼ同類。
強盗、殺人、婦女暴行、違法奴隷売買、などなど。
この屋敷の男の使用人は犯罪者しかいないのですか?
女たちの中には罪悪感を感じているものもいたのですが、怖くて言い出せなかったようなのですね。
それも仕方ないのです。
ただのメイドに断罪告発など荷が重いのですから。
気配完全隠蔽で姿を隠して。
さらに闇魔法で認識阻害して、念話で脅しておいたから大丈夫だと思うのです。
この屋敷の主を含めて、8割方殺したこと。
主は罪を認めて紙に書き記していたこと。
朝には衛兵隊がやってきて調査をするであろうこと。
そして、その調査に協力するようにということを、言い含めておいたのですよ。
吐き気のする悪行日記は目を通していないから、街の中の誰が共謀しているか、などは分からないのです。
ですが、そんなことには関知しないのですよ。
わたしは火の粉の元凶を片付けて、死にかけた雛鳥を救えたから満足なのです。
ちょっとは街の風通しを良くしてやったのだから、あとは自分たちでなんとかするのですよ!




