玉兎 その8 ギルティ(有罪)なのです!
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つたない作品ですが、これからも楽しんでいただけたら幸いです。
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しかし……、どんだけ悪事を働いてきたのですかこのおやじは。
一向に書き終わらない悪行日記に、わたしはドン引きなのですが。
待つのも面倒くさくなってきたから程々にして、さっさと殺すべきですかね?
思案していると、突如、頭の中に声が響いてきたのですよ。
『ミラちゃん!見てたよ!ご苦労様!
まあ、ミラちゃんならこんな連中、秒殺だよね。秒殺。
さすがは僕の婚約者だね!』
……………なんですか急に。
こっちは今取り込み中なのですが?
『相変わらず冷たいね!そこもまたいいんだけど!』
だ、か、ら!いったい何の用なのですか!?
用件を言うのです!用件を!
『ゴメンゴメン!言うから、そう怒らないでって。
いやね?その屋敷の地下に囚われている子がいるんだけど、その子を助けてやって欲しいんだ。』
その子?
捕まっているのは子供なのですか?
罪状がまた増えたのですね………。
ギルティ(有罪)なのです!
まったく、この風船おやじは!
即死魔法の実験台にしてやるのですよ⁈
わたしが怒り狂っていると、ルーナ様は宥めてくるのですよ。
『落ち着いてミラちゃん。
それよりは急いで欲しいかな。まだ幼い上に衰弱が激しいみたいなんだ。
このままだと間に合わなくなるかもしれない。』
む。分かったのです。
幼い命のためには、私情はひとまず抑えるのですよ。
とりあえず、風船おやじに地下室まで案内させるのですかね。
リルと二匹で風船おやじのあとから、ピョコタンピョコタンと隠し階段的なところを降りていくのですよ。
そうして降りきったところは、廊下の両側に鉄格子がはまっている地下牢じみた場所だったのです。
中には、粗末な布にくるまって眠る人間の女性や、低級の魔物、見目の良い魔獣などがいるのです。
人間達は官憲が来れば解放されると思うのです。
ここにいるということはおそらくは違法奴隷なのですからね。
しかし、魔物や魔獣の類いは処分されるかもしれないのです。
捕まえられて、その後に処分とは少しだけ可哀想なのです?
あとで転移魔法で森にでも送ってやるのですかね。
その後までは知らんのです。
自分で生き延びるのですよ?
さて、ルーナ様が言っていた子供は?
『一番奥に閉じ込められてる子がそうだよ。』
そうなのですか。どれどれ?
と、突き当たりの鉄格子を覗き込むと、そこにはさらに鳥籠のようなものが。
部屋の中には他に何も無く、鳥籠?だけがポツンと置いてあるのです。
???
誰もいないのですよ?
『いやいや、目の前にいるでしょ?そこの籠の中に。』
へ?籠の中?
よくよく中を見てみると。
一羽の鳥の雛?がグッタリと横たわっていたのです。




