玉兎 その2 草木も眠る丑三つ時……
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つたない作品ですが、これからも楽しんでいただけたら嬉しいです。
(*^ω^*)
さて、宿で晩御飯をいただき、リルとランにもお肉を出してもらった、その夜のこと。
草木も眠る丑三つ時(午前二時くらい)。
わたしたちの泊まる宿に近づく、黒い人影が二つあるのです。
人影は低い塀を乗り越えて宿の敷地に入り、厩舎ならぬ、従魔舎に入っていくのですよ。
狙いはもちろん、わたしの可愛い妹であるリルなのです。
縄と大きめの布袋を持っているので、縛って袋詰めにする気なのですね。
一応、角で突かれないように拘束すると思われるのです。
角はまだ封印して(鞘に納めて)あるので、めっちゃ切れ味がいいことは知られてはいないはずですけど。
5分ほどで出てきた黒い人影、そのうちの一人は肩に袋を担いでいるのです。そして、そのまま塀を乗り越えて去っていくのですよ。
さてと。ここからが追跡ミッションなのです!
最初からずっと屋根の上から見ていたし、もっと言えば超感覚で宿に近づく前から捕捉していたのですからね。
楽々とついて行けるのですよ。
わたしは宿の屋根からフワリと飛び立つのです。
もちろん、出来るだけ気配を消しながら。
連中の少し後ろの空を飛びながら考えるのです。
フッフッフ、どう料理してあげるのですかね?(ニヤリ)
①悪人レベル、低。初犯、ただの窃盗犯の場合。
軽くボコって、脅して終了。
②悪人レベル、中。常習犯の場合。
ボコボコにして再起不能に。場合によっては即殺。
③悪人レベル、高。組織的かつ、常習の場合。
組織ごと殲滅。
二度と手出しができないように、跡形も無く消し去るのです。
まあ、わたしたちに手を出したことが失敗だったのですね。諦めてお祈りでもしておくのですよ!
十中八九、風船おやじの手下どもだと思うのですけどね。
まったく、あのおやじも困ったやつなのです!
ちなみに、ランは今回、お留守番なのです。
とても残念がっていたのですけど、ランはわたしたちに比べ、体が大きいですから仕方がないのですよ。
もちろん、隠密スキルで隠れて行動するのですが、視覚情報を遮れない以上、人目につく可能性はあるのです。
それに、いざという時にアリバイにもなるので、一匹は宿に残っていて欲しかったのですよ。
まあ、疑われるような痕跡を残すつもりなどないのですけどね。
……人の法では裁けぬ悪を、魔物の論理で叩き潰す!
降りかかる火の粉は払って、元凶から消火するのです!
おっ。今のは、なんかダークヒーローっぽくてカッコよくなかったですか?




