ヴォルパーティンガー その85 もっと、子うさぎの巣穴感が欲しかったのですよ!
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つたない作品ですが、これからも楽しんでいただけたら幸いです。
期待して中に入ってみたものの、中は普通のお宿だったのです。
少しばかり子うさぎモチーフの飾り付けがあるくらいですね。
もっとこう、なんというか、子うさぎの巣穴感が欲しかったのですよ!
狭くて、丸くなると落ち着くというか!
まあ人間向けの宿だから仕方ないのですけどね。
宿代は一泊銀貨一枚。
ホスピタリティなど無いに等しい、この世界ではまあまあお高めの宿なのですよ。
追加で、従魔一匹につき、銅貨10枚=大銅貨一枚。
駆け出しのテイマーには苦しい価格設定なのですかね。
まあ、テイマーといっても普通テイムするのは低級の魔物や、大型犬や、カラスや鷹などの鳥なのだそうです。
強い魔物相手では戦力になりそうにないのですけど、その嗅覚や、飛ぶことのアドバンテージで索敵などを担当するらしいのですよ。
まあ、わたしは飛べるし超嗅覚もあるので、並みの動物など必要ないのですけどね!
とりあえず二泊お願いして、厩的な従魔の部屋に行くのです。
ガルドたちとは、一回お別れ、また明日なのですよ。
晩御飯に誘われたのですけど、初めての街で疲れたとお断りしたのです。
わたしは、リルとランの泊まる部屋に入ると、街に入る前からオンにしていた超感覚をオフにするのです。
あーー!つっかれた〜〜のです!
超感覚は優れた索敵能力を持つのですが、街中では情報量が多くて、頭がめっちゃ疲れるのですよ!
ルーナ様に名付けられてからは楽になったのですけどね。
『お疲れ様でした、ご主人様。
今よりは、わたしたちが代わりますので、ひと休みなさってください。』
ありがとうなのですよ、ラン。
ところで、尾けてきていた奴はまだ居るのですか?
『いいえ、わたしたちが宿に入ってしばらくは宿の向かい側の建物の陰にいたようですが、先ほど離れていきました。』
ふむふむ、やっぱりわたしたちが狙いなのですかね。
あの、風船おやじの一件の後から尾けてきたから、多分そうだと思うのですが、まったく面倒なのですね。
リル。今夜あたり、リルを攫いに来る連中がいるかもしれないのです。
『リルは、ミラお姉ちゃんのものなのよ?
それを邪魔するのは許さないの!
そんな連中なら殺してもいいの?』
…いや、あの、リルは誰のものでもないのですよ?
リルは、リルだけのものなのですから。
いつの間にやら、リルの思考も随分と物騒になったものですね……。
最初の頃はゴブリンも殺せないくらいだったのに。
兎も角、すぐには殺してはいけないのです。
リルには一度、攫われて欲しいのですよ。
そう言うと、少しだけ不満顔のリルなのですが、すかさずランが助け船を出すのです。
『なるほど、リルお姉様におとりになってもらい、面倒ごとの元から断つおつもりなのですね?』
その通り。さすがにランは察しが早いですね。
一回一回、襲撃を撃退しても面倒なのですよ。
臭い匂いは元から断たなければイカン!って、大昔のコマーシャルでも言っていたのです。
わたしたちの大切な家族である、可愛いリルを狙うなど万死に値するのですからね!
狙ったことを後悔させてやるのです!




