ヴォルパーティンガー その84 ようこそ、子ウサギの巣穴亭に。お泊まりですか?
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つたない作品ではございますが、楽しんでいただけると嬉しいです。
(*^ω^*)
ガルドたちはいまいち釈然としないようですが、それを黙殺して足を進めるのです。
苦しい言い訳なのは百も承知なのですよ。
だから、ツッコミはお断りするのです。
「それよりも、ガルドたちのおすすめの宿は、従魔も泊まれるのですか?」
そう、そここそが重要なのです!
もし、全ての宿が[狼お断り]ならば、さっさと街を出て野宿するのですからね。
「あ、ああ、それは大丈夫だ。
以前にも従魔を泊めていたし、金さえ払えば問題ないはずだ。
さすがに一緒の部屋とはいかないと思うが。」
フム。そこはもう仕方ないですかね。
「では、リルもランも厩のようなところに泊まることになるのですか。」
「多分な。俺たちは泊まったことはないから、わからないけどな。」
「泊まったことはないのにおすすめなのですか?」
「宿代が高いんだよ!俺たちはまだ駆け出しのFランクだからな。安宿に泊まるのが精一杯なんだよ。」
「だけど、今回のことで貢献が認められて、もう少しでEランクにあげてもらえるんだよ!
ランクが上がれば、報酬のいい依頼も受けられるようになるんだから!」と、リサ。
「まあ待て。慌てて高いランクの依頼を受けても失敗しては元も子もない。まずは実力をつけてからだ。」
槍使いは変わらず堅実なのですね。
うんうん。ちゃんと考えているようで、なによりなのですね。
その調子でやるのですよ?
と、言ってる間にも宿に着いたようですね。
まわりの家よりは大きめの建物。
看板には、『子ウサギの巣穴亭』の文字が。
よし!泊まるのです!
これはまさに、わたしたちの為にある宿なのですよ!
『そうなの⁈リルたちのためにあるの?この宿屋さん!』
『ご主人様、リルお姉様、落ち着いてください。
勧められているので大丈夫だとは思いますが、念のため宿泊の条件と、中の確認をしてからの方がいいかと。』
ハッ!
としたのですよ。
うん、ごめんなのです。諫言感謝するのですよ、ラン。
『もったいないお言葉です。』
それと、リル、ラン。
二匹とも後で相談があるのですが。
まずは、宿の確認なのですね。
ガルドたちの先導で宿に入るのですよ。
ドアを開けると、カランカラン、とドアについたベルが鳴るのです。
すると、カウンターの奥からパタパタと足音がして中年のおじさんが出てきたのです。
やはり、ランを見て一瞬ギョッとした顔をするのですが、すぐに微笑みを浮かべて挨拶してきたのです。
「ようこそ、子ウサギの巣穴亭に。お泊まりですか?」
ええ!お泊まりですとも!




