ヴォルパーティンガー その83 君の新しい名前は
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つたない作品ですが、これからも楽しんでいただけたら幸いです。
(ᵔᴥᵔ)
「まあ、そうプリプリしないで。
とりあえずは名付けするから、その結果を見てから決めればいいさ。」
と言って、わたしを一旦床に下ろしてから、わたしの脇に両手を差し込んで再度持ち上げ、目線の高さを合わせられたのです。
そして、そのまま顔を近づけ、額を合わせ。
「それじゃあ、名付けるよ?
君の新しい名前は、『ミルラーナ』。
愛称は今まで通りミラだね。
これからもよろしくね、ミルラーナ。
僕の可愛いうさぎさん?」
その言葉を聞いた次の瞬間、わたしの中に何かが、神気?が大量に流れこんできたのです。
自分の魂に刻まれる、新しい名前。
どこか懐かしく、しっくりくる気がするのです。
最後に、もう一度キュッと抱きしめたあと、わたしを床に下ろして、言うのです。
「そろそろ戻る時間だね。
また会える日を楽しみにしてるよ、ミラちゃん。
愛してるよ。」
またそういうことをサラッと言うのですよ……。
もう諦めたのですよ。ルーナ様の性格は。
ハイハイ、また会える日まで、さよならなのです。
なんかフワフワした心地の中、一時の別れを告げ、目を閉じるのです。
次に目を開けた時には、そこはもう街の神殿の中なのです。
ん?
なんか、まわりがざわざわしてるのですが、何かあったのですかね?
ルーナ様の神像に一礼してから立ち上がり、リルを抱き上げてから振り向くと、ポカンとこっちを見ているガルドたちがいたのです。
周囲の人も、こっちを見て呆然としたり、隣りの人とヒソヒソと話したりしているのですよ?
ちょっとだけイラッときたのです。
言いたいことがあるなら、はっきりと言うのですよ!
「ガルド。わたしたちを見ているようですが、何かあったのですか?」
「……いや、俺たちを見てるわけじゃなくて、ミラさんを見てるんだと思うぞ。
あんた、気付いてなかったのか?
さっき急に光りだしたんだぜ?」
はい?
なんですとぉー⁈わたし、光ってたのですか!
ああああ⁈ルーナ様から名付けしてもらった時ですか!
やばいのです!余計なことで目立ちたくないのですよ!
さっさと外に出るのです!
「ガルド!早く外に出るのですよ!」
言い捨て、スタスタと外に向かうのです。
二人は首をかしげつつ、ついてくるのですよ。
「いったいなんだってんだよ。何があったんだ?」
ランたち待機組と合流して、おすすめの宿に向かう道すがら、待機組の弓手が聞いてきたのですよ。
むう、答えにくいことを聞いてくるのですね。
えーと、えーと、何か良い言い訳は?
こういう時のラン頼みなのですよ!お願いするのです!
『……あまり合理的な説明ではありませんが、こういうのはいかがでしょう。』
ふむふむ。まあ多少の無理は仕方ないのです。
別に長い付き合いになるわけではないのですから、この場がしのげれば良いのですよ。
「急がせてしまい、申し訳ないのです。
やっと月神様にお祈りできたので感極まって、つい光魔法を使ってしまったようなのです。
お祈りしている時に光ってしまったから、少し騒ぎになりそうだったので、慌てて出てきたというわけなのですよ。」
く、苦しい言い訳ですかね?




