ヴォルパーティンガー その74 風船か?
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m(_ _)m
今日はお休みで、ゴロゴロしながらポチポチ執筆が進み、ストックが少し溜まったので追加で投稿します。
つたない作品ですが、これからも楽しんでいただけたら幸いです。
(*´∇`*)
依頼も済んだし、魔石も少量買い取ってもらったので出ようとしたら、ギルド員の登録を勧められたのですよ。便利だからって。
だが断るのです!
だって、わたしの目的はあくまで月神様の情報収集なのですからね?
冒険者になって、高ランクになって名声を上げてチヤホヤ!とか、高額報酬でウハウハ!とか目指していないのですよ。
そもそも、角うさぎが冒険者とか意味分からないですし。
ガルドが、「入市税も免除されるし、魔石の買い取り価格も高くしてもらえて、それから、それから、えーと…とにかく便利なんだぜ⁈」と、必死こいて勧誘してくるけど、あんまり必死だとかえって引くのですよ?
「いえ、税金なら払うのですし、魔石も買い取ってもらえれば価格も気にならないのですよ。
もともと、冒険者として働く気はないのですから。」
と言うと、「がーん!」と背景音が聞こえそうなくらいガックリと肩を落とすのです。
残念でしたね?目論見が外れて。
まあ、そのうちいいことがあるのですよ!元気出すのです!(無責任)
気分も朗らかに、次の目的地に行くのですよ!
神殿に行く前に、通り道にある武器屋によっていくのです。
リルの角に鞘を買ってあげるのですよ!
いつまでも革紐巻きでは不便なのですからね?
『リルはこのままでもいいのよ?
封印?を解くのに革紐の方がカッコいいから。』
……余計なことをしゃべってしまったのです。
後悔は先に立たないのですね……。
ですが、リルの意見は却下するのです。
いざ戦闘という時にいちいちほどいていては、わたしたちの役に立てないのですよ?
と言うと、『それは嫌なの!分かったの。仕方ないから、普通の鞘で我慢するのよ?』とのこと。
よし。説得成功なのです。
妹の厨二ムーブとか見たくないのですからね!
武器屋に入って、適当な鞘を見繕うのです。
リルの角を見せたら、武器屋の主人がビックリしてたのは余談なのですよ。
ピッタリカンカンとはいかないまでも、ちゃんと鞘に納まったヴォーパルホーンに、満更でもない様子のリル。
新しいアクセサリーをもらったのに近いのですかね?
やや物騒なアクセサリーですが。
次は、いよいよ神殿に行って月神様について聞くのです!
さて、ガルド達に先導されて神殿に向かうのですが、やはり街中に狼が歩いていると、ちょっと騒つくのですね。
一応、ガルド達が周りを囲んで視線を遮ってくれているのですけど、すべてガードできるわけもなく。
時々、「ひえっ!」とか「きゃっ!」とか聞こえるのですが、それを無視して進むのです。
ん?
なんだか他と違う視線を感じるのですよ。
こう、なんだか粘っこいというか、なんというか…。
さりげなく視線を感じる方に目を向けると、風船か?と思うようなパンパンに太ったおっさんがいたのです。
うわぁ、あれはダメなのですよ。
何がダメって、自分の欲を抑えられない感じなのですよ。
今もちょっと血走った目で、ギラギラとこっちを見ているのです。
リルやランの目はいつもキラキラしてるのに。
濁点が付くだけでこんなに嫌な響きになるのですね。
着ている服は上等っぽいのに、ギラギラな目も相まって、なんだか下品に見えるのですよ。
くわばらくわばら、ああいう手合いには関わらないのが吉、なのです。
さっさと立ち去るのですよ!




