間話 その9 村長の妻 まったく変わった子だったねえ。
いつも、つたない作品を読んでいただきまして、ありがとうございます♪
m(_ _)m
100万PV突破記念ということで、追加で投稿いたします。
間話ですみませんが、楽しんでいただけたら幸いです。
のべ回数とはいえ、自分の作品がひゃ、ひゃくまんかいも、(ゴクリ)、見ていただけるとは。
作者冥利につきるとはこのことですね。
なんとか落ちに持っていけるように頑張りますので、これからもよろしくお願いいたします。
ありがとうございました!
ψ ψ
(๑╹ω╹๑ )
ミラさんたちが見えなくなるまで手を振り続ける村人たち。
まったく変わった子だったねえ。
ビックリするくらい綺麗な娘さんなのに、世間ずれしてないっていうか、あまり表情がないっていうか。
最初に会った時は、「この子、こんなに美人なのに、なんで未開の森人みたいな格好してるんだい?」って思ったもんさ。
それが話を聞けば、ずっと森の奥で従魔たちと暮らしてたって言うじゃないか。
しかも、その従魔たちがものすごく強くて、村を襲った賊どもをまたたく間に倒しちまったって。
あたしは家の中にいたから見てなかったけど、たくさんの村の連中が見てたから間違いないんだよ。
殺されかけたところを、助けてもらったって。
たまたま居合わせたガルドさんたちに言わせれば、従魔よりもミラさんの方が強いらしいんだけどね。
少し信じられないけど、賊の親分を倒して捕まえたのもミラさんだって。
うちの旦那が言うには、治癒魔法で村の連中を治してまでくれたそうだから、もう、ミラさんにはいくら感謝してもし足りないくらいだよ。
話し言葉といい、綺麗な顔立ちといい、ひょっとしたらやんごとない出自なんじゃないかい?
うちの人も疑って聞いてみたけど、はぐらかされたみたいだね。
まあ、ホントに知らないだけかもしれないけど。
まだ十四、五歳くらいにしか見えないのに、随分としっかりしたお嬢さんだと思ったもんだけど、年相応の顔を見せてくれた時もあったんだよ。
それは、従魔の狼と角うさぎを撫でている時と、村の子供たちと話したり遊んだりした時さね。
従魔や子供たちを見つめる目は、とても優しくて、いつもの無表情から一変、可愛らしかったねえ。
それを見た村の男連中が鼻の下を伸ばしてたけどね。
助けてもらった対価に、娘の服を着てもらったり、街や国のことを色々と教えたりしたんだけどね?
そのうち、お土産を持ってくるようになったんだよ。
昨日狩ったオークの肉だって、デカい肉のかたまりをランちゃんの背中にのせてきた時にはビックリしたね!
おすそ分けだって。
こっちは助けてもらった上に、受け取れないよ!って言ったんだけどね?
「わたしたちだけでは食べきれないのですよ。
いつものお食事のお礼に受け取って欲しいのです。
久しぶりに自分以外の、人の手で作られた食事を食べたのですが、温かくてとても美味しかったのですから。」
なんて、頬を赤くして、はにかんで微笑みながら言われたら受け取らざるを得ないよねぇ。
あんな綺麗で優しい娘さんが街に出たら、いろんな厄介ごとに巻き込まれるだろうけど、従魔ちゃんたちもいるし、賢くて芯はしっかりした子だからなんとかなるんじゃないかね。
あたしにできることは、嫁入り道具だった手鏡と櫛を餞別にあげることくらいさ。
別れ際につい抱きしめたら、ちょっとだけ目が潤んでいたんだよ。
……考えてみれば、ずっと祖父と暮らしていたと言っていたから、母親を知らないのかもしれないねぇ。
あたしでよけりゃ、いくらでも抱きしめてあげるから、きっとまた村に来ておくれよ?
たいしたもてなしはできないけど、温かいスープを作って待ってるからね!




