ヴォルパーティンガー その72 この甘えん坊将軍め!
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つたない作品ですが、これからも楽しんでいただけたら幸いです。
二匹とも落ち着いたので、再び街に向かって歩くわたし達なのです。
リルはまだわたしの腕の中。
抱っこが気に入ってしまったのですね。
この甘えん坊将軍め!
大変ご機嫌な様子のリルを見て、これまた羨ましそうなランなのです。
しょうがないからリルを片手で抱え直して、逆の手でランを撫でるのですけど、疲れるのですね、この体勢。
まあステータスが高いから平気なのですけど、世の中の母親の気持ちが少しだけ分かった気がするのですよ。
そうして歩くことしばし、いよいよ街の門が見えてきたのです。
まわりにも街に向かう人々が増えてきたのですが、わたしの、というかランの姿を見て道を開けるのですよ。
まあ、狼が普通に道を歩いていれば、そうもなるのです。
しかし、わたしが寄り添って歩きながらなだめて撫でているので、周囲の人たちもランが飼い犬ならぬ、飼い狼と認識したようで、恐る恐る戻るのです。
ちゃんともらった首輪も付けているのですけどね。
いっそのことリードで繋ぐべきでしたか。
しかし、妹を首輪で繋ぐとか、何か倒錯的で微妙なのです。あんまりやりたくはないのですよ。
『わたしは構いませんが?』
いやいや、やりたくないと言っているのですよ?
『ですが、それで周囲の人間が安心するのであれば、交渉に有利に働くのでは?』
ランの言うことにも一理あるのですが、それは最後の手段として取っておくのですよ。
鎖やリードで繋がなくても、わたし達は家族の絆で繋がっているのです!って恥ずっ!
自分で言ってて、恥ずかしがっていては世話はないのですね。
今のは忘れるのですよ?ラン?
『分かりました!わたし達は見えない絆で繋がっているのですね!』
忘れる気ないのですね⁈
もういいのです!わたしが忘れてやるのですよ!
門に近づくと、ガルド達が待っていたのです。
まあ、日取りを決めて待ち合わせたのですけどね。
こっちに気付くと近づいてくるのです。
「やあ!久しぶり、ミラさん!リルやランも元気そうでなによりだ!」
フン。ガルドのくせにリルやランにも気遣うとは、なかなかやるのです。そこは褒めてやらんこともないのですよ。
「ええ、ガルド。お久しぶりなのです。
ありがとう、リルもランも元気ですよ。
今日はよろしくお願いするのです。」
「ああ、こちらこそよろしく。
報酬分の仕事はさせてもらうさ。」
と言ってニッカリ笑うのです。
後ろにいるのはリサ?に、ダン?に、ノルトン?でしたっけか?
そちらもよろしくなのですよ。




