ヴォルパーティンガー その66 ライネンのことを話すと鬼が笑う
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m(_ _)m
一日三回投稿しなくていいと思うだけで、気分的にすんごく楽になりました。
・・・ちょっとだけ、締め切りに追われる作家さんの気持ちが味わえたかもしれません。
つたない作品ですが、これからも楽しんでいただけたら幸いです。
「君が賊どもを捕まえたという、魔物使いのお嬢さんかね?」
「ええ、そうです。名前はミラなのです。
あなたは?」
と聞き返すと。
「わたしはライネン。衛兵小隊の隊長の一人だ。
ミラ殿、盗賊共を撃退してくれて、なおかつ村人の治療までしてくれたそうだな。御領主様に代わって礼を申し上げる。ありがとう。」
と、わたしに向かって敬礼?らしきものをしてきたのです。
らしきもの、というのは日本式の右手を右目の前にかざすやり方ではなく、直立不動で左拳を右胸に当てる方式だからなのですよ。
相手に敬意を表する、という意味はありそうなので、たぶん敬礼だと思うのですけど。
それにしても、ライネン、ですか。
ドラ○エⅣの戦士さんと一文字違いとは惜しいのです!
そういえば雰囲気も似てるのですね。
謹厳実直で口髭だし。
まあ、ライネンのことを話すと鬼が笑う、とも言うし、髭おじさん弄りはこのくらいにしておくのです。
その後はサクサクと話が進んだのですよ。
まだ埋めていた賊どもを掘り出し、股間を洗い(プークスクス)、他の連中と一緒に馬車に詰め込んでいったのです。
褒賞は手続があるから、すぐには出ないのですが数日中には、とのこと。
村長とも話して、代官から見舞い金が出るとか、わたしに感謝状的なものが出るとか、協力したガルドたちにも謝礼が出るとか。
この髭おじさん、めっちゃ有能なのでは?
賊もいるのですが、村長といい、髭おじさんといい、まともな大人がちゃんといるのですね。
それなら、この世界の人間社会に対して、そう悲観的に考えなくてもいいのかもしれないのです。
ガルドは正直すぎるので微妙なのです。
悪い奴ではないのですけどね。
おっと、ついでにリルとランの扱いについても聞いておくのです。
「わたしは数日後には街に向かうつもりなのですが、わたしの従魔は連れて行けるのでしょうか?
もし連れて入れないのならば、どこかに預けるか、森の家に残すかしなくてはならないのです。」
「うーむ、ギルドに所属するテイマーや魔物使いもいないわけではないからな。
君が責任を持つならば問題はないだろうし、あとで認可の書類と従魔の証である首輪を届けさせよう。
それに、あの姿を見てはな。
危険は無いのがよくわかるとも。」
と、苦笑とともに返されたのです。
その視線の先には。
いまだに、子供たちに揉みくちゃにされている、リルとランの姿があったのです。
ランはまだまだ元気いっぱい、むしろツヤツヤしてるのですが、リルのほうはさすがにグッタリしてるのですよ。
よく我慢したのですね。
あとでご褒美なのですよ!




