ヴォルパーティンガー その65 ランちゃんは子煩悩?『是非ともお世話させていただきますから!』
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ストックが正直キツくなってきました。
今までは、仕事のある日は0〜1話、お休みの日に2〜3話作って、元々あったストックと合わせて投稿していました。
が、貯金が減るばかりで増えないのです(当たり前)。
すみませんが、明日からしばらくの間、一日一話、昼間に投稿とさせていただきます。
申し訳ありませんが、よろしくお願い致します。
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つたない作品ですが、これからも楽しんでいただけたら嬉しいです。
一方、ランは男の子たちを、順番に背中に乗せて広場をぐるぐる回っているのです。
ぎゃーぎゃー、うるさいですね。
テンション上がるのも分かるのですけど。
そこのクソガキ。あんまり耳をひっぱるんじゃないのです。
ステータスが高いから、たいして痛くないですが、されて気持ちいいことでもないのですよ?
『大丈夫です。構いませんよ、ご主人様。
このくらい、かつての一族の子育てに比べたらそよ風のようなものですから。可愛いものですね。』
………ランがそう言うならいいのですけどね。
しかし、低ランクとはいえ魔獣の子供に比べては、たしかに人の子のじゃれつきなんて可愛いものかもしれないのです。
そして、やっぱりランは子供好きというか、子煩悩っぽいのですよね。
母親になったら、子供を猫可愛がりしそう。
『まさか。今さら狼の子供など産めませんよ。
それよりも、ご主人様のお子様が産まれたら、是非とも! お世話をさせていただきますから!』
こっちを見て、目ぇキッラキラで、尻尾ブンブンにして言ってくるのです。
……そ、そういうことは、まだ、か、考えたくない、かなぁ……?
だって、ほら、まだ婚約者、ですし、ね?
いずれ? そう、いずれはそういうことも? あるかもしれないですけれど、ね?
急に顔を真っ赤にするわたしを、傍らにいた幼女が不思議そうに見上げるのでした。
などと遊んでいる間に、村の入り口の方に複数の気配が。
さすがは超感覚、今日も冴えてるのですね。
これは、ガルドたちが戻って来たのですか?
リルたちには、そのまま遊んでいるように伝えて、入り口の方に注意を向けるのです。
すると、ガルドたちが、見知らぬ革鎧を着た男たちを連れて村に入ってきたのですよ。
男たちの鎧は揃いの形で、ついでに荷馬車もひいているのです。
うむ。ガルドたちは、衛兵との交渉に成功したようですね。
いつの間にか現れた村長とわたしに声をかけてくるのです。
「ミラさん! 村長! 今、戻ったぜ!
約束通り、衛兵隊を連れて来たから、これから賊の引き渡しと話し合いだな!」
声が少しでかいのですよ、ガルドくん?
子供がビックリしているじゃないですか。
まあ、お揃いの鎧姿を見て、男子連中は興味津々なのですけどね。
すると、革鎧たちの中から、一人だけ房飾りのついた兜をかぶった中年のおじさんが話しかけてきたのですよ。
口髭を生やした、いかにも謹厳実直そうなおじさんなのですね。
よし! お前のあだ名は髭おじさんなのです!
え?安直でひどいネーミングだって?
別に心の中だけなのだから、構わないのですよ。
ハゲおじさんじゃないだけ、ありがたく思うのです!
ハゲてるかは分からないですけどね。
兜をかぶっているし。




