ヴォルパーティンガー その60 『ミラお姉ちゃんはいつも正しいのよ?』新興宗教角うさぎ教(信者二匹)
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つたない作品ですが、楽しんでいただけたら幸いです。
ひとしきり作業を終えた後、気の利くおばさんに夕食に誘われたのでお呼ばれしたのです。
リルとランにもお肉を出してくれたのですよ。
これは後日、オークの生ハムでも村に差し入れてあげるのですかね。
夕食は普通に美味しかったのです。
複雑な調味料などは使われていない、基本は塩と肉や野菜から出た出汁の味なのですが、前世以来の人間の手による食卓に、感じいるわたしなのですよ。
お食事にも満足したし、そろそろお暇するのですかね。
村長以下数人に見送られ、ランの背中にまたがり、リルを連れて村を後にするのです。
さてと、馬鹿正直に森の奥にある、もう第何号か分からんスィートマイホームに帰る必要はないのです。
適当なところに土魔法で地下に仮拠点を作って、その中に入って休むのですよ。
森に入ってすぐの場所に拠点作成魔法〜っと。
今なら仮設住宅の10戸や20戸、簡単に作れそうなのですね。
ランに走ってもらったから大丈夫とは思うのですが、一応、索敵しておいて跡をつけられていないか確認するのです。
よし、大丈夫なのですね。
わたしの索敵も完全ではないのですけど、あの村には超感覚こみの気配感知をかいくぐれるような強者はいなかったから問題ないのですよ。
それでは変化を解いて、仮拠点に入居!
あ〜、肩凝ったのです。
ベッドにダイブし、リルとランを呼んでモフモフに埋まって癒されるのですよ。
スタートからイレギュラーだったのですが、こうして服もカバンも手に入れたし結果オーライなのです。
リルとランは何か言いたいことはあるのですか?
『あの村の人たちは、ミラお姉ちゃんを尊敬してたから、みんないい人たちなの!』
『そうですね。おかげで交渉も上手くいきましたし、さすがはご主人様です。ランは感服いたしました。』
う、うんうん、その通りなのですけど……あんまり手放しで褒められてばかりいると、ちょっとだけ居た堪れないというか、なんというか……。
たまには反対意見を言ってもいいのですよ?
『ミラお姉ちゃんはいつも正しいから言う必要がないのよ?』
『その通りです。合理的に判断して不利益になるようなら、僭越ながら意見いたしますが、今のところその必要はないと愚考いたします。』
そ、そうですか……。
なんかプレッシャーを感じてしまうのですけど。
間違ったことはできないのですな〜なんて。ハハハ……。
いやいや、プレッシャーに感じる必要などないのですよ!
もとより完璧からは遠い存在。
神ならぬ人の、いや角うさぎの身なのですから。




