ヴォルパーティンガー その55 どこのモデルさんですか?
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つたない作品ですが、これからも楽しんでいただけたら嬉しいです。
(●´ω`●)
ブラジャーは無く、スポーツブラに近いTシャツみたいな下着にカボチャパンツを穿いて、七分袖、薄茶色の地味ワンピースを着るのです。
これで、どこからどう見ても、ただの村娘に……は見えないのですね。
部屋にあった手鏡で初めて自分の顔を見たのですが。
どこのモデルさんですか? と、聞きたくなる容姿なのですな。
屋内ですら天使の輪が光る、ツヤツヤ、サラサラなピンクブロンドの髪。
天然で綺麗な弧を描く眉。
スッと鼻筋が通った、けれど高すぎない鼻。
何も塗らずとも桜色に濡れる唇。
ほんのりと血色が透ける白い肌。
………なによりも澄んで輝く、真紅の大きな瞳。
これでニッコリ微笑んだりすれば、男どもが赤面するのも仕方ないのです。
あかん。……あかんのですよ、これは。
この格好で街に入ろうものなら、トラブルに巻き込まれる予感しかしないのですよ!
ナンパは元より、誘拐とか、お貴族様に目をつけられるとか、面倒くさいのです。
勘弁して欲しいのですよ。
うーん。気配完全隠蔽していれば、たぶん大丈夫と思うのですけど、その場合、今度はまわりに認識してもらえないかもしれないのです。
それはそれで面倒なのですね。
フード付きの外套か、ローブ的なものとマスク的なものも用意してもらえないですかね?
顔を隠せるように。
あと靴。
と思ったら、婦人サイズの革サンダルが置いてあったのですよ。
さすがおばさん! 気がきくのです!
ローブもお願いすればいけるかも?
あとはカバン的な物も欲しいのですが、ここまでくると対価が必要ですかね?
実際にはアイテムボックス魔法があるから必要ないのですが、この魔法が一般的かどうかは分からないのですよ。
珍しい魔法だった場合、トラブルの原因になるかもしれないから、カモフラージュ用にバックパックか肩掛けカバンが欲しいのです。
ともかく、服を着て、サンダルを履いたので準備完了!
部屋の外のおばさんに声をかけるのです。
わたしを見たおばさんは「着る人が変わると、こんなにも変わるものなんですねぇ。ただの村娘の服が、貴族さまのドレスのようですよ!」ですって。
フフフン?
それは褒めすぎなのですよ?
貴族はこんな地味な(失礼)ワンピースは着ないと思うのです。
それはともかく、服とサンダルに感謝して、こちらの要求を伝えるのです。
同時に対価が必要なら出すことも話すと、「そんな! この程度でとてもいただけないですよ!」と断られたのです。
むう。魔石を出すタイミングがなかなか無いのですね。




