ヴォルパーティンガー その54 今こそわたしは文明を手にするのです!
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つたない作品ですが、楽しんでいただけたら幸いです。
狭いとは言いながらも、他の家よりはひと回り大きな村長(仮)宅にお邪魔するのです。
リルとランはお家の前でお座りなのですよ。
本当は一緒に入れてあげたいのだけど、リルはともかく、ランを家に入れるのは村長(仮)も抵抗があると思うのです。
二匹とも、大人しく待っているのですよ?
『ハイなの!』『かしこまりました。』
よしよし。あとでご褒美なのですね。
中に入ると、奥さんらしき同じく恰幅のいいおばさんが出てきたのです。
村長(仮)となにやら話した後、こちらに近づいて、話しかけてきたのですよ。
「この度は村の人たちを助けていただいて、ありがとうございました。」
と丁寧に頭を下げるのです。
「衣服と食料とのことですが、まずは服ですね。
娘のお古で申し訳ありませんが、ご用意しますのでこちらでお待ちください。」
と言って奥の部屋に案内するのですよ。
大人しく付いていくのです。
実を言うと、この時点でもほんの少しだけですが、罠を疑っているわたしなのです。
そんなことをするメリットは村にはないので、99%無いとは思うのですが。
それにわたしをなんとかしても、リルとランが暴れたら、この村の戦力ではどうにもならないのですし。
まあ、もっと言えば、わたしの方が戦力的にどうにもならないのですけどね。
なにせAランクなのですから!
部屋に入ってしばらく待っていると、数着の服を持っておばさんが入ってくるのです。
「一応、新しめのを持ってきましたけど、こんな綺麗な娘さんに似合うかどうか。なにせ、何も無い村ですから。」
「着られれば何でも構わないのです。
今のわたしはこんななりですから。」
苦笑して生皮を少し持ち上げて見せると、おばさんも笑って安心したようなのですね。
「そう言ってもらえると、こちらも助かりますよ。
着方は分かりますか?」
わたしが頷くと「では、部屋の外にいますから、何かあればお声をかけてくださいな。」と言って部屋から出て行ったのです。
さてと。
わたしはテーブルの上の服を吟味するのです。
まあ、吟味するまでもなく、似たようなブラウス、スカート、ワンピースなのですけどね。
飾りけも少ないし、地味めなのですが。
獣の生皮よりはマシなのですよ!
生臭いし、ゴワゴワしてるし、胸がこすれるし。
ステータスのおかげで痛くはなかったのですけど。
今こそわたしは文明を手にするのです!




