ヴォルパーティンガー その49 毛皮生足美少女見参! 皆殺しのリル、半殺しのラン
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つたない作品ですが、これからも楽しんでいただけたら嬉しいです。(*^ω^*)
スタスタと冒険者(仮)たちに近づいていくのですが、警戒されているのですね。
まあ、当たり前なのですよ。
盗賊の後ろから来たのですから、増援に見えなくもないし、毛皮生足美少女だし。
まったく、我ながらどこの部族の原住民か。
と、こちらの姿を見て、先頭にいた戦士っぽい若い男が警戒を解いたのです。
なんか、こっちを見てぼけっとアホ面をさらしているのですが。
盗賊のリーダーと戦っていたから、冒険者(仮)の中では腕利きだと思うのですが、これでは話ができないのです。
とりあえず声をかけてみるのですかね。
「あの……。腕にケガをしているようですが、大丈夫ですか?」
わたしの声を聞いて、急に現実に戻ってきたのです。
「あ、ああ! このくらい平気さ! って、いてて!
いや、それよりも君はいったい……。
っと、その前にこっちが名乗るべきだよな!
俺はガルド。駆け出しの冒険者だ。
そっちの槍持ってんのがダン、そっちが斥候のリサに、狩人のノルトン。4人でパーティを組んでる。
それで、その、君はいったい何者なんだ?
まさか盗賊どもをやったのは、君なのか?」
早口で捲し立ててくるからちょっと面喰らったけど、会話の始まりとしては悪くないのです。
「これはご丁寧に。わたしの名前はミラ、魔物使いなのです。魔法も使えるのですけどね。
たしかに盗賊たちを倒したのは、わたしなのです。
負傷もしていたようですし、手を出してしまったのですが、余計なお世話でしたか?」
「いやいや、そんなことはない!
むしろ助かったよ、危ないところだったんだ!
ミラ……さんは俺たちの命の恩人だ。
ありがとう!」
と言うと、そろって頭を下げてきたのです。
うむうむ、苦しゅうない面をあげるのです。
じゃなくて、まあ駆け出しだからこそなのか、素直に感謝できるのは良いことなのですね。
このまま成長すれば、良い冒険者(確定)になれるのですよ!
「ところで、このまま立ち話していてもいいのですか? まだ盗賊は残っているのですが。」
と、彼らの背後を見ながら言うと、一斉に振り返り、「そうだった、話してる場合じゃないよな!」「早く助けに行かないと!」などと言い交わしているのです。
しかし。
「まあ、助けに行く必要もないと思うのですけどね。
わたしの従魔は強いですから。」
わたしの言葉に、またこっちを向く冒険者たちなのです。
「それはどういう……。」
理由を聞こうとするガルド(?)くんを遮って、手を上げるわたし。
その時、ちょうどリルとランから念話が届いたのです。
『ミラお姉ちゃん!
こっちは終わったのよ! 盗賊たちはみんな殺したの!
これからお姉ちゃんのところに行くのよ!』
『ご主人様、こちらも終了いたしました。
死亡が二人、重傷が四人、軽傷が一人で、生きている者も全員戦闘不能状態です。
それと、村人に負傷者が複数います。
ご主人様が治療されれば、交渉に有利にはたらくかと思います。』
良し! リルもランもよくやったのです!
あとでご褒美なのですよ!




