間話 その7 冒険者 その日、俺は……
ブックマーク登録、星評価、いいね、など、ありがとうございます♪
m(_ _)m
素人のつたない作品ですが、これからも楽しんでいただけたら幸いです。
俺たちのパーティはその日、ハーグの街から食料や日用品を近くの村に運んでいた。
チンケな仕事だが、駆け出しパーティにできる仕事などたかが知れているし、他にめぼしい依頼がなかったからしょうがない。
パーティは剣士の俺、斥候のリサ、槍使いのダン、狩人のノルトンの4人だ。
なかなかにバランスのとれた良いパーティだと思う。
欲を言えば魔法使いが一人欲しいところだが、まあ贅沢は言えない。
ギルドの先輩にも、魔法使いなんか10組に1人所属していればいいほうだ、と言われたからな。
そもそも魔法使いは、ほとんどが魔術師ギルドに所属していて、そこで働いているらしいし、稼ぎもいいから、わざわざ冒険者になるやつなんかめったにいないらしい。
まあ無い物ねだりしてもしょうがない。
俺たちは自分でできることを、一つずつやっていくしかないんだからな。
そんなわけで村まで物資を運んだんだが、さあ帰ろうかという時に賊が村を襲ってきやがった!
ふざけんな! なんで俺らがいる時に来やがるんだ!
居合わせた以上は村人に加勢するしかないんだが、賊どもの数が多い。
とっさに入り口に陣取って防いだはいいが、このままじゃジリ貧だ。
すでに他の場所から入りこんで、村人を追いかけ回してる奴らもいる。
俺たちも後ろに回られたらおしまいだ。
囲まれる前に手薄なところを破って逃げるか?
どうせ間に合わないだろうが街に知らせる必要もあるし、村には悪いが、俺たちも命は惜しい。
仲間たちに目配せして、撤退を決断しようとしたその時。
突然、目の前の盗賊連中の足元から何本もの槍が飛び出してきて、賊どもを串刺しにしちまった!
そのまま死んだやつもいれば、急所は外れて痛みに叫んでるやつもいる。
だが、またたく間に5、6人が戦闘不能になったのは確かだ。
この機を逃さず、俺たちは前に出た。
あまりの威力にビビったが、この魔法をかけたやつは俺たちの味方だ。
なぜなら、土の槍は見事に俺たちだけを避けているからな。
ならば、このまま押すだけだ。
後方にいた賊どもの頭らしき片目の男とあと二人残っていたが、状況が分からず泡を食ってやがる。
すかさず切りかかるとさすがに防がれたが、いい流れだ!
このまま押し切ってやる!
と思っていたが、まだ俺たちは甘かったらしい。
後方にいた賊と頭は強かった。
最初は勢いで押せたが、段々押し返されてきた。
リサなど最初から防戦一方だ。
クソッ! 賊どもが串刺しになった時に逃げりゃよかったか⁈
後悔しても遅い。
今さら目の前の片目も逃しちゃくれないだろう。
痛っ!
右腕を切られた!
まだ動くが利き腕をやられたら、あとはジリ貧だ!
ここまでか! と覚悟を決めた時、二度目の奇跡が起きた。
目の前の片目が急に視界から消えちまったんだ!
両隣りで戦っていたリサとダンの前の賊も消えている。
代わりに俺たちの前には2メートルくらいのデカい穴が空いていた。
それも人ひとりまるまる入れるような……。
恐る恐る近づくと、7、8メートルくらい下に足を折ってうめいている片目の姿が。
絶体絶命の危機から助かったのは分かったが、二度も助けてくれた魔法使いはどこにいるんだ?
なぜ助けてくれたんだ?
混乱し、立ち尽くしていると、遠くから近づいてくる人影が。
細く小柄に見えるが、賊どもの援軍か?と警戒する俺たちをまったく気にせず歩いてくる。
風になびく金色の髪。
透けるような真っ白な肌。
潤んで輝く大きな紅い瞳。
その日、俺は女神に出会った。
リサさん再登場。
でも特に活躍はしません。いわゆるモブですね。
しかも、作者に名前間違えられるとか、ちょっと可哀想かも・・・。
少しは活躍させてあげようかなと思いました。
ツッコミ、ありがとうございました!m(_ _)m
間違えて、さらに修正で間違えるとか、本当にお恥ずかしい限りです・・・。
穴があったら入りたいとは、このことか。(><)




