ヴォルパーティンガー その43 モフモフ角うさぎパーティ、始動なのです!
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素人の書いたつたない作品ですが、これからも楽しんでいただけたら幸いです。
と、逆側のリルもモゾモゾと動いて起きたのです。
すかさず抱きかかえるわたし。
『ミラお姉ちゃん、おはようなの!
ランちゃん? も、おはようなの。』
『おはようございます、リルお姉様』
そのセリフの破壊力にノックダウンされたリルなのです。
鼻息も荒く、目もキラキラなのですね。
『そ、そうなの、そうなのよ!
リルはお姉ちゃんだから、ランちゃんのお世話をするの!
分からないことはなんでも聞いていいのよ?』
『ありがとうございます、リルお姉様。
ふつつか者ですが、これからよろしくお願いいたします。』
おっ。リルがお姉ちゃんぶっているのですね。
これはもしかして、甘えん坊将軍リルの姉離れが進んでくれるのですか?
なんて、その姉に抱きかかえられたままでは、説得力がないのですけどね。
今は人の姿なので、念話と同時に声に出して話して聞かせるのです。
「リルも、ランも、わたしたちは同じ群れ、家族になったのです。
家族になったからには、助け合い、支えあっていかなくてはならないのですよ。
あなたたちは、ちゃんと助け合っていけるのですね?」
『もちろんなの!
ミラお姉ちゃんもランちゃんも、ずうっと一緒なのよ!』
『一族の爪弾き者である私を、家族と呼んでくださるのですね………。
無論、わたしも我が身を尽くしてお支えいたします……。』
明るく即答するリルに対して、ハラハラと落涙しながら、キューンと鼻を鳴らし頭を下げるラン。
こいつはこういう性格か。
真面目な話をしているとはいえ、堅くて重いのですよ。
でも犬科の魔物らしく忠誠心は高いのですね。
称号まで持っているし。
しかし、本来なら捕食対象である角うさぎの群れに入るのに葛藤はなかったのですか?
聞いてみると、『もちろん最初は迷いました。ですが、ご主人様には命を助けていただきましたし、お二方の訓練の様子は拝見させていただきました。それで圧倒的な力の差は理解できましたから。私のいた群れでは力のある者がリーダーとなるのです。ご主人様はとてもお強いですし、お優しいです。ご主人様にお仕えできて、ランは幸せ者です。』とのお答え。
わたしの膝の上で、リルがしきりに「うんうん、お前わかってるじゃん!」と言わんばかりに頷いているのです。
そう持ち上げられると少し恥ずかしいのですが……。
ま、まあ、ランが良ければいいのですよ。
さてと、新しい家族を迎えたのですが、やることは基本的に変わらないのです。
我がモフモフ角うさぎパーティにランを入れて、日課の探索と訓練に勤しむのです!




