表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

ひとりぼっちの夏蜜柑

作者: まえとら

「芽が出るかな?」

「難しいんじゃない?」

「でるよ~」

おじいちゃんとおばあちゃんから毎年送られてくる夏蜜柑。段ボールにたくさん入っていたのに最後の一つになった。パパがティッシュに水を浸して、暫くすると根が出て小さな鉢に植えた。やがて芽が出た。3人で育てようね。


パパとママは大きな地震で死んじゃった。

小さな鉢の夏蜜柑と、ひとりぼっち。


私はミカン畑で働いている祖父母に引取られた。

最初のうちは祖父母に懐けなかった私は二人の優しさと自然に包まれ次第に心を開いていった。


子供の頃のママと祖母が写真に写っていた。写真の祖母はママにそっくりだ。


私の夏蜜柑にアゲハ蝶が丸く黄色い卵を産んだ。幼虫はパキュパキュと心地よい音で葉を食べた。やがて蛹になり飛んでいった。


夏蜜柑の白い花が甘い香りを妖精のように漂わせた。

私の夢は未完のまま。三人で果樹園のすみっこに私の夏蜜柑を鉢から地植えした。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ