表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

偽善

作者: すぅばにら

※心臓の弱い方は、控えめに見てください。

善とは何か?

悪とは何か?


この世には偽善しかない、と僕は思う。

大人たちは言う「良い子になりなさい」と、

今日、お母さんのお手伝いをした。「良い子だね」、お花にお水をあげた。「良い子だね」、お勉強を頑張った。「良い子だね」、あぁ大人は、どんなことをしたら「良い子」と言ってくれるのかな?…


僕は、ただひたすらに、その一心で、、内心焦ってたのかもしれない。その言葉を言われることに生き甲斐を感じてきたからなのか、それを言われなくなると、不安で不安で仕方なかった。


僕は今16歳で、この11月で十七歳。

クラスでは中ぐらいの身長に、中の下ぐらいの成績、そして下の顔。


いじめられていた。


自分のステータスを見ると、誰が見てもいじめられそうな感じ。

とても親を憎んだ。どうして、こんなステータスに設定したのか。

もちろん、親に何の責任もない。

だって、自分の子供のステータスなんて決めれるわけがない。

もし、決めれるのだとしたら、この世は親の好みのイケメン、美女で溢れているのだろうし、天才ばかりになるのだろう。

だけど、仕方なかった。そう、仕方ないんだよ。憎める相手が親しかいないから。


私は衝撃的だった。いつの日からか、突然息子が反抗的になった。

とても「良い子」だったのに。何かしたのか、でも何も思い当たる節はない。

そして、ついに夫に相談をしてみた。この日まで話すのはとてもためらったが、私ではもうどうしたらいいのか分からなかったから。


叱ってやれ。


そうだ、叱ればいいのか。と、今まで思い付かなかったかのように言ってみる。

それは、私も何度も考えた。けれど、叱り方が分からなかった。

仕方がないので、ネットで調べてみる。

すると、1番上から二つ下のサイトの見出しが、

「元々良い子だった子への叱り方」

というのがあった。

興味が湧いたので見てみると、こう書かれていた。

「元々良い子だった子は、小さい頃から色んな大人に「良い子」と言われてきました。

そして、それを言われることに嬉しさを感じるのです。

なので、叱るときは逆に「悪い子」と言ってあげましょう。すると、その子は今自分は良い子ではなく悪い子なのでと、認識できるのです。

そして、その子はまた「良い子」と言われたいと思い、その子はまた良い子への道を歩むでしょう。」と。

私は、なるほどと思い、今日の夜に実行してみた。大成功だった。


俺はやってない。ただ、見てるだけだ。危害なんて加えない。あいつが、いくら叩かれようと、いくら机に落書きされようと、いくら犯罪を犯そうと、俺にとっては関係ない。そう、ただ見てるだけなんだ。


おい、こっちこい。


見てるだけ、そんな立場にずっと居続けられると思っていた。


こいつを殴れ。


僕は言われるがままにあいつの目の前に立った。恐怖だった。何がって、周りの目だ。哀れんだり、軽蔑したり、期待に胸を膨らせるようなものもあった。

そして、殴った。最悪だった。目の前の殴ったやつは、俺を哀れんでいた。そんな目だった。もう、見るだけは出来なかった。


帰りのホームルームで先生が突然言った。このクラスでいじめがあるようだ。

そして、ゆっくり僕の方に近付いてくる。それにともない。いつも僕を殴っている奴らは僕の方をじっと睨んでいる。

先生は僕目の前に立つと「誰にされたんだ?」と言った。僕は答えなかった。正確には答えれなかった。

もし、答えたなら僕を殴った奴らは親に怒られる。そして何より、そいつらの親も、とても悲しむだろう。それは、ダメだ。親には何も責任がないのだから。


放課後、呼び出された。「良く言わなかった、良い子だ、これからは一つ上のランクにしてやるよ」

それを言うと、その五人組はにクスクスと笑いながら帰っていった。


やった。「良い子」と言われた。


その日からは、殴られなかった。が、殴った。


「おい、あいつとあいつとあいつを殴ってこい。」

「よし、良い子だ」

僕は知っている。こいつらは僕が殴っているのを後ろから見て、笑っていた。


やった。「良い子」と言われたし、楽しんでも、もらえたぞ。


僕は大人になった。そして、会社にも入った。少し強面な上司だけど僕のことをよく誉めてくれるし、やりがいも、生き甲斐も感じる。


「おい、あいつを殺してこい」


「良い子だ」


「おい、金を巻き上げてこい」


「良い子だ」


こんなに、「良い子」と言われた。

お父さん、お母さんもきっと喜んで「良い子」と、言ってくれるはずだな、


「悪い子」


そう書かれた紙が二つの丸い影のしたに置かれていた。

最初は僕もこんな残酷なのを書くつもりはなかったんです。でも、やはり、いじめという現実から目を背けてはいけないと思い書きました。これを多くの人に見てもらっていじめッ子がどれだけ人の人生に干渉し、めためたにしてるかを分かって欲しいです。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ